オンラインゲーム

 遊びまくっていれば、日が落ちかける寸前だった。俺は解散を提案した。


「もう良い時間だ、帰ろうぜ」

「賛成~。遊び疲れたあ」


 一番よく動いていたリアは、砂浜に倒れていた。こんな短時間で暴れまくったなあ。


「久々に体を動かしました。筋肉痛になりそうです」

「あたしも~…はぁ、でも楽しかったなあ」


 会長もあずさも完全燃焼。

 力尽きて寝転んでいた。



「ああ、俺も楽しかった。三人と遊べるとか夢のようだった。時間が無限にあればいいのにな~」



「じゃあ、また来ようよ」


 リアがそうつぶやくように言うと、会長もあずさも同調。近い内にまた遊ぼうと約束を交わした。まあいいか、楽しかったし……目の保養にもなったしな。



 ◆



 会長とあずさは、ボートで帰って行った。本当に帰っていくとはなあ。


「スズさんってお金持ちなんだねえ~」

「そうだな、相当儲けているらしいな。会長には驚かされてばかりだよ。さあ、俺達も帰ろうか」

「うん」


 当たり前のようにリアは、俺の腕を抱く。今は、水着姿だから……ほぼ生に近い感触が触れてるように思える。緊張で曖昧だけど……!




 やっとアパートへ帰宅。




「さて、着替えるか」

「じゃあ、わたしは先にお風呂へ行くね。大二郎も来る?」

「なっ!」

「うそうそ。また倒れられたら困るし」

「お、おう」



 リアはお風呂へ向かった。

 俺は後でゆっくり入ろう。

 さっと体を拭いて着替えた。



 それから、しばらくの間は仕事や勉強を進めた。晩飯には、ウーハーイーツの配達で『モシバーガー』を注文。肉汁たっぷりのハンバーガーと甘々なコーヒーシェイクを戴いた。これが美味くてリアが大絶賛していた。



「やっぱり、モシバーガーって味付け最高だねッ! マクトナルトも嫌いじゃないけど、わたしはモシバーガー派だなぁ」

「俺もだよ。多少値段が張るけど、この濃厚な味を楽しめるのなら、たいした問題じゃない」



 飯を食べ終えると、リアがゲームをしたいと言った。仕事の方は片付いているし、俺もゲームをやりたい気分だった。丁度良いな。



「大二郎のオススメでよろしく!」

「俺のおススメかあ。そうだな、流行りのバトルロイヤル系とかは慣れるまでに時間が掛かるし、気軽にやれるMMORPGにするか」


「MMORPG! いいね、ロシアで少し遊んだことがある」



 そりゃ説明する手間が省けていいな。



「よし、MMORPGにするか。俺が息抜きにプレイしてたヤツな。タイトルは『Excaliburエクスカリバー Onlineオンライン』と言って、剣と魔法しかないシンプルなヤツだ」


「へぇ、面白そうね。じゃあ、それにしよう。あー…、でも、わたしパソコンないや」



「大丈夫。俺の自作PCを貸すよ。三台あるからな」

「そ、そんなにあったの……! 大二郎って自作の才能もあるんだね。カッコイイ~」

「いやいや」



 リアを俺の部屋に招き、ディスプレイとキーボード、そしてマウスを用意。座椅子に座って肩を並べてプレイ開始。というか、リアとの距離近いな。



「大二郎とゲーム、楽しみだな」

「お、おう。オンラインゲームは、インストール済みだから……後はアカウントを、ってまあ、俺のサブアカウントでいいか」



 スピーカーから壮大なBGMが流れ始める。



 Excaliburエクスカリバー Onlineオンラインのタイトルがデカデカと現れ、ゲームスタート……!

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