ラブホテルへ...
「いいか、リア。あのホテルはな、学生は入れないんだ」
「なんで?」
「なんでって……そりゃあ。良いのか、ハッキリ言うぞ」
「うん」
「とても仲の良い男女が≪ワオーン!≫する場所だ」
「へ……≪ワオーン!≫!?」
本当に知らなかったようで、リアは顔を真っ赤にした。まさか、あのお城風ホテルで性行為が行われているとは思わなかったんだろうな。
「……もういいだろう、帰るぞ」
「待って。大二郎は……その、ホテル行きたいの?」
「……なッ。馬鹿、同棲しているんだから、それだけで十分だってーの」
「あ、そか。わざわざホテルを利用する必要もないか」
「そういうこと」
納得したようで、駅の方面へ歩き出す。
だが、リアは相変わらず顔を真っ赤にした状態で……
「経験ないから焦ったぁ……」
え、リアってまさか……。
◆
新居駅から弁天島駅へ。
そのままアパートへ帰宅。
「俺は仕事でも進めるよ」
「また例のバイトなの~。少しは休みなよ。ほら、今日は60万円手に入ったんだし」
「納期があるからね。すまないけど、リアはのんびりしていてくれ」
「むぅ、分かった」
そのまま部屋へ向かい、俺は仕事を進めていく。大金が入ったとはいえ、持って精々半年くらいだろう。金なんて使ってしまえば減るものだ。安定した生活を送る為にもバイトは止められない。
そうして、俺は一時間ほどひたすらキーを打ち続けた。そろそろ休憩を入れようとした所で『ピコッ』とスマホが音を鳴らす。
「またリアか」
毎度恒例になりつつあるメッセージ。
俺は画面を開いて今日は何が送られているかチェック。どうせ、また
すると――
いきなり画面が動き出す。
「うわ、
口元から始まり、流れるように下へ。
危険ゾーンを避けつつ谷間、おへそ、フトモモと……そして、最後にリアの顔が。
『大二郎、お仕事お疲れ様。いつもありがとうね。今日は楽しかったよ、またどこか行こうね♡』
投げキッスをするスタンプも添えられた。リア、俺の事を気遣ってくれて……やべ、泣きそう。俺は『大泣きする男』のスタンプを送り返した。そして直ぐに『なんで泣くの笑』と返ってくる。
そりゃ、嬉し泣きさ。
……リアの為に頑張ろう。
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