同棲生活

同棲生活 1日目

ロシアっ子

「……大二郎おおじろう。よろしくね」



 秋桜しゅうおう学園に編入したきたロシアっ子のリディアは、俺の隣の席になった。長い銀髪を緩慢かんまんに揺らし、流暢りゅうちょうな日本語で話して俺をじっと見つめる。そんな見つめられても何もあげられないけどな。



 どうやら、俺とリディアは遠い親戚・・・・らしい。こんな美少女ロシアっ子の親戚がいたとは知らなかった。



 中学生の頃から一人暮らしに憧れていた俺は、必死こいてプログラムの仕事をしてバイト収入を得ていた。その結果、両親に認められ高校一年生になってやっと念願の一人暮らしを始められる事になった。



 七月七日たなばた



 先日、十六歳の誕生日を迎えると共に、リディアの面倒を見るように両親から強く言われ――その時点で夢であった一人暮らしはついえた。


 全てが終わった、そう思った。


 けれど、ルームシェアする相手がこんな容姿ようし端麗たんれい、スタイル抜群の美少女だとは思わなかった。胸も大きいし、他の男子もその胸に注目していた。でも、俺はどちらかと言うと、その水色と桃色のオッドアイの瞳に吸い込まれそうになっていた。

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