第4話

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早めの15時で終了だが11時頃にどういうわけか、すずの父親でサスケの主人の望月氏が先日来店した真田昌幸を伴って来店した。

もともと両氏は信州出身で同族である。戦国期前に望月氏が甲賀に移動したということでサスケの先祖も同じだということだ。一緒に何かできそうでとても面白く、真田一族をあげて協力するということだ。


サスケは観世音菩薩から超能力を授かり甲賀忍法と合わせて独自の合気武道を完成している。サスケが師範でありすずが師範代理である。

ちょうど地まわりのヤクザ者7人が景気のいい匂いを嗅ぎつけて、[俺たちに挨拶はねえのかい]とすごんでみせた。店で暴れられるとヤバイので店の外に出てもらった。7人が出たのをみはらかってサスケとすずにゴン太までが態度を一変させた。


しかし勝負はあっけなくすぐに決着した。サスケが[フッ]っと短い気を発すると一瞬で7人が膝から崩れ落ちた。手と足にあごの関節を外してしまったのである。

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騒ぎに駆け付けた見物客があまりのすさまじさにあっけにとらわれて、ポカンとしている。店頭で転がっていても一般の人に邪魔なので警察に処理をしてもらった。


展示会の売り上げはざっと2億円ほどになったが資金的に余裕が出たので、今後の展開も楽になる。財務大臣の石田三成に資金の運用を教えてもらおうと呼んでみた。

石田[しばらく考えてからおもむろに、こんなちまちまとやっていてもどうにもならない。私達は最終的に世界の平和と安全それに環境を守らなければならない。


まず初めにロシアをやっつけるが軍資金は米国の銀行の古札が中央銀行に回収される前にすり替える。超能力でやるから全く同じものなので見分けがつかない。EU通貨にポンドこれも同じようにやり、5年で2000兆円をストックする。

莫大な量になるので異次元倉庫に保管します。それに金とプラチナは自然界から簡単に集められるので、それぞれ8000kgに2000kgを集めて保管します。]

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[これでロシアと戦争できます。その前に観世音菩薩が異次元に太平洋、インド洋、大西洋にまたがる広大な領地の明日香王国を造っているので、それを現次元に融合させていかなければなりませんが、超能力で世論を肯定的にしておけば問題はありません。あとは粛々と行くだけです。


私を含めて各自仕事があるため、自分の身をもう一人作る分身をして観世音菩薩が定めたスタッフがそれぞれに集まってきた。それにもう一人追加で一人、航空研究所の技官の平賀源内である。展示会で所持金が5,000円しかなかったので、抹茶茶碗を無料でプレゼントした相手である。ゴン太は首を縦に振ってうなずいているが、これから強い味方になりそうだ。


異次元の広大な王国に、全員がサスケの時空超能力で一瞬に到着した。王宮入り口に国王代理の老僧が出迎えた。10万坪の広い敷地だが驕りたかぶった雰囲気は何にもない。

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なにからなにまで観世音菩薩の指示で国づくりをしてすでに50年が経つということで、初代国王の祖父が死去して受け継いで8年になるいうことである。

すでにほとんどの準備が終わっているので交代だといった。裏山に密教、大日観世音教の総本山がありそこの住職になるということである。


私が国王に法王それに観世音教の代表を兼ねるということであるが、この老師と南インド大陸の菩薩山5,555mの中腹にある菩薩山カイラス寺の住職が祖父の仲間なので副法王で観世音教の副代表である。裏山にある観世音寺の敷地はとても広く山が3つ連てらなっている感じである。首都のど真ん中で貴重なオアシスとしての価値も提供をしている。


王宮の周囲は観世音寺の門前町になっていて、服装は江戸時代そのもので差し詰め日光江戸村の大型版といったところか。特徴は室町期から江戸末期までの大道芸に歌舞伎や見世物小屋などもあり、とにかく活気がすごい。

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江戸雑貨も時空を超えてそのまま仕入れてくるので、面白味満載である。

王宮正面入り口前はバードサンクチュアリー公園になっていて、専門の係員がいろいろな鳥を呼び寄せ、木々にはリスやモモンガいるそうだ。とにかく鳥が人懐っこい。自然界の動物がここに来るととてもフレンドリーになるようだ。

ここに飼われている2匹のネコの腹や背中に小鳥がのっのかってきてもそのままにしている。


スタッフは王宮内の宿舎に住んでもらったが、1人5LDKの部屋に温泉大浴場に食堂付きで快適なようだ。全員が王宮司令部付きになっているが分身をして適材適所に配属された。遅くても5年以内に異次元から現次元に融合して行かなくてはならない。


ゴン太を連れて王宮前のバードサンクチュアリに行ってみた。普通、外部からの犬などの動物は同伴が禁止されているが、首輪に王宮警察の名前が入っているので関係者と見て特別に許可された。

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娘の志野さんもいらして大歓迎、[うわぁ~いい犬ですね]私よりゴン太に関心があるみたいだ。ゴン太も娘とこの環境が気に入ったようで、はしゃいでいる。医学部の2年生で暇なときには実家のこ仕事を手伝っているとのことだ。


ゴン太は私のズボンを嚙んで引っ張り、特別な人だよというサインを送ってきた。すなわち将来を見据えてこの場所に住まわせたということか、すべてゴン太の本元である観世音菩薩の段取りのようである。


[私はそこに住んでいる主人です。]と言ったら、一瞬びっくりして[でもとても世界の圧倒的な不動産王で数十万の会社オーナーには見えないですね。]ここ明日香王国の土地とビルに一戸建ての不産に会社はすべて王様のもので、とんでもない大金持ちなのでである。そりゃあそうだつい最近まで小さな借家住まいで、競馬に狂っていた男である。[私は現次元で陶芸家として有名なんですよ。]と胸を張った

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