いじめてくる相手と一週間付き合わなければいけなくなった話

金木犀

第1話 いじめっ子といじめられっ子


「はぁ…今日もいじめらるんだろうなぁ」


私、佐々木美咲は同じクラスの高橋くん達に嫌われていて毎日いじめられている。

中学3年になり今年もクラス替えがあった。なぜだか気づいた時にはいじめられていた。

いじめられ始めてから3ヶ月はすぎたと思う。

今日もまたいじめられるのだろうと思いながら朝ごはんを食べている。

本当は、朝は食欲があまりないから食べたくないけど、食べないとお腹が鳴って馬鹿にされそうで怖いから食べるようにしている。



「やだなぁ…行きたくないなぁ」


毎日通る通学路を歩いていると嫌でも学校に着いてしまう。

教室の前に立ち深呼吸をする。

「スー、ハー、スー、ハー」

嫌だが意を決して教室のドアを開ける「ガラッ」

ドアが開く音と同時にみんながこっちを見る。

誰だか確認して私だと分かると無視をする人、コソコソと何かを話している人、馬鹿にしてくる人、舌打ちする人様々いる。

もうこんな光景も毎日だから慣れてしまったが、やっぱり怖くて下を向いてしまう。

自分の席の隣にはいじめの元凶である高橋くんが座っている。高橋くんの周りには武田くん、加藤くんと私をいじめる仲間が集まっているから早く席替えしたいと日々思っている。

最初に声を出したのは武田くんだった。

「うわっ。根暗ちゃん来たぜ」

その言葉に高橋くんが笑い、加藤くんはやめてやれよと何故だか止めてくれる。だが高橋くんが続けて「はぁ。マジなんで隣なんだし。最悪すぎる早く席替えして〜」と言ってきた。

「私だって好きで隣になった訳じゃないのに…」と思いながらよく読んでいる小説を出した。



(高橋視点)


俺の名前は高橋優斗、俺は今イライラしている。

その理由はというと俺の隣の席の佐々木が気に食わないからだ。

いつもナヨナヨしてて、ボソボソと喋るから聞こえない。見ているとイライラする。

小学校からの付き合いで一緒にいる、武田竜馬と加藤匠は幼なじみである。

武田は背は小さいがお調子者でよく喋る。いつも横髪にピンをしている。そのためか女子には可愛いとおちょくられる事が多々ある。

加藤は武田と逆で背が高くクールである。頭もいいので女子に人気がある。

俺はというと身長も低くもなければ高くもない世にいう普通だ。みんなには内緒だが普通が嫌で、耳に穴を開けピアスをしている。だからだろうチャラいと言われる。女子の人気は…まぁまあまあかなって感じである。

俺はナヨナヨしてる奴を見ると昔の自分を見てる気がして腹が立ってしまう。だから隣の席の佐々木が気に食わなかったし嫌いだ。

今朝もいつものように俺の机のところで、武田と加藤と話している。

「そういえば昨日やったゲームがマジで面白かったから今日俺ん家でやろうぜ」

俺は武田と加藤を誘った。

「やろう!やろう!どうせ今日も暇だし〜」

と武田は答えた。すると加藤がいつものように武田につっこむ。

「いやいやお前はいつも暇だろ」

その言葉に武田はあははと頭を触りながら笑っていた。それと同時辺りで「ガラッ」と教室のドアが開く音が聞こえた。

武田がドアを開けた人を見ていつものように口を開く。

「うわっ。根暗ちゃん来たぜ」

その言葉で俺が気に食わない奴が来たと分かり舌打ちをした。

加藤は武田の言葉にやめてやれよと何故だか止めている。

佐々木の足音が近づいてくる。俺はチラッとアイツの顔を見るとやっぱり怯えながら下を向いて歩いている。

「はぁ。マジなんで隣なんだし。最悪早く席替えして〜」

俺はその姿に腹が立ち聞こえるように言ってやった。

佐々木をチラッと見ると、顔は見えなかったが一瞬ビクッとした様子だった。

佐々木は自分の席に座るといつも読んでいる小説を読み始めた。

やっぱり嫌いだ。俺はそう思った。



────────────あの時までは

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