第1話 『躾』の現場に居合わせた不運



 始まりました、『効率主義な令嬢シリーズ』第4部。

 第二部などは山場までがちょっと長い印象だったと思うのですが、今回は一つの山場からスタートです。


 


 という訳で(?)突然ですが、第二部から読んでくださっている方。

 実はしょっぱなからちょっと遊んでみたんですが、分かってもらえたでしょうか?



 『いつかどこかで見たような光景』


 もしこれがどの場面かを分かってくれた方が居らっしゃれば、その方は間違いなく本作を読み込んでくださっている方だと思います。


 ……え?

 どこなのか、ですって?

 まだ秘密です。

 おそらく第一章が終わった後の裏話でネタ晴らしかなと思いますよ。

 答え合わせはその時に。



 さて、トラブルに愛されたセシリアは、まさかの学校初日、入学式さえ始まっていないというのにトラブルにまんまと遭遇してしまいました。

 傍から見れば「傍観者もたくさんいるんだし、その中の一人になってりゃいいじゃん」と思う場面なのですが、そこはセシリア。

 『貴族の義務』という彼女にとってたった一つの足枷発動のせいで、立ち上がらずを得ません。



 と、こういう場面を書くと、どうしても第一部の『おしごとツアー』の時に問題を起こした少年・ユン。

 彼が抱いた心の内を思い出します。 


「セシリアは、誰よりも自由に見えて誰よりも縛られているんじゃないだろうか」


 権力を持ち、財力を持ち。

 何の不自由も無い自由な生活を送っていると思っていた彼女が、実際には『貴族』という思想に雁字搦めで、その上その事に全くの無自覚。

 

 そんなセシリアに興味を持ち、その後その運動神経の無さに身体的な危うさを覚えてセシリアの護衛騎士になるべく職を選んだユンでした。

 そんなセシリアのちょっと偏った思想感が、この話でも発揮されています。


 ぶっちゃけ、作者自身も「自分の好きな事以外には、時間を使いたくない」と思っているのにそれをも押し退ける貴族としての義務感をもつ12歳の女の子なんて、ちょっと言い方アレですが、「頭おかしいんじゃないかな」と思っています。(笑)

 が、それがセシリア・オルトガンという人間なので、その点はどうか悪しからず。



 という訳で、セシリアの物語は悪者に声をかける所から始まりますが、次話からの3話分、セシリア達の日常を描きます。


 「普段はこんな子なのよ」の部分です。

 これがその後の山場へのギャップになると思っています。

 その後冒頭部分に戻ってきてバシッとビシッと決めますので、楽しんで読んでいただけると嬉しいなぁと思います。



 ……あ、前の裏話やあとがきでも書きました「第4部に登場する『おしごとツアー』メンバーについて、ちょうど以降の3話で出てきますので、お楽しみに!

 

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