第123話 体力と耐久力

  【偉大なる】 佐藤直史専用スレ part491 【大サトー】


112 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 六月の佐藤直史全成績


 対東北 9回 28人 129球 ヒット1 エラー1 奪三振25!!!!!!!!!!

 対千葉 9回 29人 96球 エラー2 奪三振14 ノーヒットノーラン! マダックス!

 対中京 9回 31人 110球 ヒット3 エラー1 奪三振15

 対巨神 9回 30人 92球 ヒット1 エラー2 奪三振14 マダックス!


 奪三振率17! 先月までの小サトー抜いた!


113 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 ご苦労 エラー多いな


114 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 エラーなかったらパーフェクトか


115 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 大サトー プロ入り後レギュラーシーズンにおける無四球記録をさらに伸ばす


116 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 フォアボールないからヒットとエラーなかったら普通にパーフェクトになるからな


117 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 なんかもう試合見てると水戸黄門みてるような安心感があるよな

 最終的に必ず愛は勝つみたいな


118 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 水戸黄門もいくつかパターンあるけどな

 もはやこれまで~って悪あがきするパターンとか


119 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 まあ勝つことは分かっていて、あとはどういう記録出すかだけってのは分かる 

 様式美というか


120 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 しかしあれだな

 幸運じゃないけど小サトーが怪我したおかげで奪三振タイトルも現実的になってきたな


121 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 上杉と小サトーはやってるからな 投手五冠


122 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 上杉は何回もやってるけどな!


123 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 >>122

 ただし佐藤兄弟が入る前な


124 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 奪三振なんてもういらんタイトルやろ

 奪三振率ならともかく


125 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 規定イニング行かなくていいならクローザーが取りやすいよな

 もしくはセットアッパー


126 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 やっぱ奪三振率じゃあかんやろ。

 先発がたくさん投げて取ってこその奪三振。


127 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 それ言ってるとピッチャーの評価どうすればいいのか分からんくなる

 コントロール大事、フォアボール出さない、でも三振取るの大切、打たせて取るのがいい投手


128 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 まあ最後の一つ、小サトーは出来ないっぽいよな

 上杉は打たせて取ることは無理でも八割で投げて170km/h出るから

 実質体力無限


129 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 「上杉さんの球って思ったより速くないですね」

 「上杉はお前相手には本気で投げてないよ」


130 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 もう一度見たいわ~

 白石と上杉のパワー同士の真っ向勝負


131 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 小サトーで我慢しろ


132 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 大サトーのピッチングはむしろ雑魚相手の時の方が面白い説


133 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 まあパワーピッチャーはストレートと変化球一つ投げてればそれで終わるからな


134 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 ファルコンズ戦は良かった

 あれこそがまさに技巧派による奪三振芸術の極み


135 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 村岡がダブルプレイなんかせずエラーをしていてくれれば……


136 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 村岡ぁっ!


137 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 お前に期待されているのはそうじゃないんだ!


138 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 さすがにそれはw

 お前らさんざんネタにしてるけど村岡の守備指標は平均よりかなり上だからな

 普通のサードならヒットになってるのを村岡だから追いついてエラーになってるのあるし


139 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 あんまり打ってないとか言っても去年はホームラン24本打ってるからね

 OPS0.8あって足もあって普通以上にいい選手


140 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 追いついてるのに捕球しきれないのはもったいないよな

 サードだと初柴とかが比較対象になるのも辛い


141 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 何気にまだ20代の村岡

 でももう伸び代はないよな


142 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 30過ぎてから打撃覚醒なんてよくあるし打順と長打考えたら普通にええやろ

 他のチームだったら五番とか打っててもおかしくない


143 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 ここ誰のスレだっけ?


144 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 大魔王とその下僕のスレ


145 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 なるほど 村岡は大サトーの眷属と


146 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 七月の最初の試合で、ついに三振数弟を抜いたんだが


147 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 弟じゃなくて小サトーな


148 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 弟じゃ弱サトーと区別がつかん


149 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 その呼び方やめーや

 せめて若サトーとか


150 名前:兼任ファルコンズファン

 うちのエースやぞ!


151 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 あ、うん

 連敗止まった?


152 名前:代打名無し@実況は野球ch板で

 www 盛大に草w




~~~




 中五日体制を提案されて、気楽にそれを受けてしまった直史。

 だが今後の試合日程を見てみれば、そんな単純なことではないと分かる。

「……騙された!」

「騙してねえ。本当にそう思うなら訴えろ、弁護士」

 樋口は涼しい顔をしているが、実のところ分かった上で了承したと思っていたのだ。


 NPBの先発中六日というのは、ちゃんと意味がある。

 先発を六枚そろえれば、おおよそ週一で休みがあるため、中六日で自然と組み立てられるのだ。

 それを中五日でやっていたら、どこかで休日があって、中六日か中五日を選ぶことになる。

 中六日を選んでしまえば、日程の調整が入らない限り、中五日では間隔が休日に当たってしまう。

 そこで中四日で投げなければ、また中五日を継続できない。


 他のピッチャーは中六日で投げて、直史だけが中五日で投げるということ。

 またNPBで中五日で投げるということは、レギュラーシーズン終盤の優勝争いならばともかく、この時期にやるべきことではない。

 逆に終盤でこれをやって変にリズムを崩すよりは、今のうちにやっておくという考えもある。

 圧倒的にリーグ首位を走るレックスに、本当にそんなことをやる必要があるのか、というのは置いておくとして。


 七月の中旬には、オールスターがある。

 そこで投げるのはせいぜい三イニングなので、お祭り気分で楽しめばいい。

 その明けから投げていくと、最終的な試合数はどうなるか。

 雨天などの順延がなければ28試合、何かの拍子に投げる必要があったとして29試合と見ていいだろう。

 中四日で投げる必要が、三回ほど出てくるかもしれない。


 NPBにおいてはもちろん登板予定は定められているが、それほど厳密というわけではない。

 予告先発はあるが怪我や病気などの場合、翌日の先発のピッチャーが回されることもある。

 MLBではこれはまずないことであり、先発のローテは厳密に守られる。

 その分リリーフは柔軟に運用されるが。


 残りの三ヶ月、直史の登板機会は一ヶ月に五回ずつ。

 これでもMLBに比べれば、まだ少ないほうなのだ。

 中四日を多用する球団であれば、年間の登板数は最低でも32回、スーパーエース級は疲労を見ながら35回ほども先発をさせる。

 球数にしても100球というのが目安だが、六回までを投げられたら90球でも80球でも降ろすことがある。

 レギュラーシーズンとポストシーズンを、戦略的に分けて考えているのだ。

 投手の肘肩は消耗品というもので、確かにピッチャーにとってみれば、そう考える方がありがたい。


 メジャーリーガーの平均稼動年数は、せいぜいが五年ほど。

 スーパースターは長く続けるので目立つが、ほとんどの選手はその程度しか働けない。

 そして五年というのは、長期の大型契約に届かない数字である。

 直史の誓約は五年。

 そのうちの三年をMLBで過ごす。 

 大介との対戦の機会を考えれば、それはもうかなり少ないものになってしまう。

 ワールドシリーズまで勝ち抜かないと、おそらくは対戦しないほどの。


 年間の投球数はおよそ3000球まで。

 その球数制限は、はっきり言って意味がない。


 直史はおよそ100球以内で試合を終わらせるが、その間に消費しているカロリーはどれほどのものか。

 かつて野球は先発投手が完投していたら、体重が3kgは減っていたという。

 だが直史は、コンビネーションを考えて投げるため、全力投球というのが少ない。

 全力ストレートの一球と、キャッチボールの一球。

 どちらが消耗するかは言うまでもない。


 ピッチャーの姿を、昭和に戻してしまう存在。

 先発完投、打たせて取る、いざと言うときには奪三振。

 疲労をためることなく、短い間隔で投げてしまう。

 上杉は年間32試合を先発していたが、それが中四日や中五日で投げるということ。

 そしてそれでも上杉は壊れなかったのだ。

 壊れたのは強大な敵に対して、さらに強大な力を出そうとしたため。

 力だけのピッチングをしていっては、いずれは壊れるのは当たり前なのかもしれない。

 もっとも上杉がそこまでやらないといけないというのが、バッターとして規格外なのだが。




 七月に入った初戦、ライガースとの三連戦の最後の試合を、古沢で落としてしまったレックス。

 その翌日からは、NAGOYANドームでのフェニックスとの三連戦となる。

 この試合までが、直史が中六日で投げていた試合。

 ここからが中五日のピッチングとなっていく。


 中五日、あるいは中四日で投げていくというのが、どういうことなのか。

 さすがに直史も、未体験のゾーンである。

 そもそも高校時代からずっと、直史はある程度頼れる、もう一人のピッチャーがチームにいたのだ。

 それどころか複数のピッチャーがいて、おかげで甲子園も地方大会も、無茶な間隔で投げることはなかった。

 大学のリーグ戦とトーナメントは短い期間で投げることがあったが、それが延々と続いていたわけではない。

 プロの世界で中六日で平気と言うのは、去年の時点で分かっている。

 また短期間であるなら、日本シリーズでもっと無茶をしている。

 だがシーズンを通じて、その無茶が続いていくならどうなのか。


 七回ぐらいまでを投げて、中五日で続けること。

 完投して中六日ですごすこと。

 どちらの方が大変だろうか。

 もちろん直史はここから、中五日で完投し続けることを考えている。

 そもそも中五日で投げるために、球数を100球程度に抑えることが必要だったのだ。

 

 MLBにおいては完投する数など、全体の試合の0.001~0.002%程度だ。

 それを思うとMLBでも交代のおおよその基準である100球以内で、完投をしている直史が、そもそもピッチングスタイルからしておかしいのが分かるだろう。

 MLBに行けばチーム事情によるが、中四日で投げるのか中五日で投げるのか。

 中四日なら90球、中五日なら100球と、球団によってその球数は変化するだろう。

 だが直史の考える、エースの姿。

 それは完投ではなく、勝利だ。

 他のピッチャーにリリーフさせるよりも、自分が投げた方が勝てる。

 また自分が完投することによって、リリーフ陣が休める。 

 そういったことまで考えた場合、やはり直史は完投を狙っていく。




 フェニックス戦の最初の試合、直史は次がすぐに来ることを考えて、ピッチングを考えてみた。

 普段は出来れば100球と、ナチュラルに球数を抑えることを考えていたが、この試合は意図的に100球以内を意識する。

 それも球数は、少なければ少ないほどいい。

 そして投げるにしても、完全な全力投球は行わない。


 フェニックスのバッターをくるくると回し、そして打たせて取ることもする。

 いつもとやっていることは、結局変わらないと思う。

(MLBは同じリーグの同じ地区のチームとの試合は多いが、それ以外のチームとの対戦は少ない)

 自分で調べたり、大介からの連絡を受けたりと、直史は色々と考えてはいる。

 基本的にピッチャーとバッターとの対決は、対戦が少ないほどピッチャーには有利になる。

 そして先発投手は、基本的に組み立ててバッターと対戦する。

 一方のリリーフは、パワーで押していくタイプが多い。

 クローザーの役割を考えれば、三振が取れる方がありがたい。

 直史もまた、三振が取れないわけではないが。


 大介からのメールなどの文面でよく見るのは、アメリカのピッチャーも別にたいして違いはない、というものだ。

 確かに大介の成績を見ていれば、そういうことも言えるのだろう。

 能力的なものはおおよそ、直史も分かったつもりでいる。

 だが問題はスタミナと、シーズンを通してコンディションを保てるかということだ。

 それにバッターの能力にしても、助っ人外国人たちのことを思うと、MLBの方が打撃の能力は高いと思われる。

 日本人はピッチャーのほうが、バッターよりも成功している。

 これは日本人ピッチャーが優れているというのもあるだろうが、それに比べてバッターのレベルは、向こうでは通用しないというものなのか。


 両者のリーグの選手起用などを考えると、バッターはより多くのピッチャーに、どんどんと対応できないといけない。

 その点では大介は、反射で打つことが出来るため、あの成績を残しているのだろう。

 現実的に考えれば、そろそろもっと歩かされる数が多くなるはずだ。

 大介のOPSを見ると、いつも笑えてくる。

 いったいホームランの記録を、一年目でどこまで伸ばすのか。


 


 そんなことを思いながら投げて、9回30人に98球の完封勝利。

 序盤で少し粘られたため、三振を取ることが多くなっていった。

 最終的には17個の三振を奪ったので、もっと最初から奪三振を目指しておいた方が良かったのか。

 だがやはり打たせて取らないと、球数は増えてしまう。


 完投を狙っていくかどうかは、チーム事情による。

 リリーフの力が強いかどうか、他の先発がどれだけ計算できるかで、期待される役割も変わるだろう。

 当然のように先発で投げるつもりだが、MLBは年度ごとの戦力の入れ替わりが激しい。

 またクローザーが故障でもしてしまったら、なかなかセットアッパーをそのまま後ろに持ってくるというわけにもいかないのだ。


 直史の場合は安定感が抜群なので、先発が最適なポジションに思える。

 だが実際はメンタルの安定感こそが抜群なので、プレッシャーのかかるクローザーでも適性は高い。

 そもそもワールドカップでは、最後までクローザーとして投げたのだ。

(次のライガース戦から、登板間隔が変わるわけか)

 調整の仕方も変わるだろうから、そこは考えていかないといけない。

 果たして中五日で、完全に回復して調整まで出来るのか。


 高校時代から色々としてきて、また新しく挑戦しなければいけないことがある。

 野球におけるプレイスタイルというのは、本当に様々に分かれているものだ。

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