教官の”使命”:③

俺とゴリアテはスケルトンの大群を挟み撃ちするような形になった。




ゴリアテは怪我をしていたが、まだ戦えるようだった。




ゴリアテが比較的背の小さなスケルトンの大群をハンマーで一纏めに潰す。




そして俺が残りを倒す。




胴体に向かって発勁をする。




爆発音がし、スケルトンの胴体が吹き飛び霧散する。




襲い来るスケルトンを蹴りや殴りで次々と爆発四散させた。




しかしゴリアテはずっと戦っているからか、疲れが溜まってきたようだった。




そしてその隙を付かれ、ゴリアテは腹を抉られる。




「がはっ…あ”ぁ”…」




と言い崩れ落ちる。




「ゴ、ゴリアテ!!!大丈夫か!?」




とゴリアテに声をかけるが、骨のぶつかり合う音で全てが掻き消される。




しかし奴らの目的はこの中で1番強い俺を『仲間』にすることらしい。




ゴリアテに分散していたスケルトンが全て向かって来たため、一気に劣勢になる。




「くそったれが!!どうしたらいいんだよ!!」




俺は昔、父の書斎のメモで見た、ある魔法を思い出した。




しかし、あれを使った時の恐怖は今でも忘れられない。




力が身体中を駆け巡るのを感じ、肉体が限界を超える。




しかし、そう思った次の瞬間、四肢の骨が耐えきれず砕け散ったあの頃の思い出。




身動きが取れないまま俺は死ぬのか、と子供ながらに思った。




「でも…今の…今の俺なら…生徒を助けるためなら…!!」




覚悟を決め、全身に力を込める。




そして俺は、『無双』の詠唱を始めた。

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