「寿司屋台問題」
ニューロマンサーという小説がある。冒頭、未来の日本から始まる(その名も「
まず、
どう見ても中国だろ、とツッコミを入れたくなってしまうこのカンチガイ日本観(ウィリアム・ギブスンは中国人に聞いたイメージからこの退廃的サイバーパンク世界を作り上げた。私はこの作品のSF的価値に関しては評価したい)。実は寿司の屋台は昭和初期ごろまではあったらしい、という話はとりあえず置いておいて、現代日本人の感覚的に寿司が屋台で売られていないことはすぐに分かる。
もちろん、書いたのが日本人ではないのだから仕方ないだろう。「寿司」も「屋台」もあるのに、「寿司の屋台」はない、なんてことは日本に住んだことがなければ分からないと思う。
だが、実際この「寿司屋台問題」は作家につきまとう永遠のテーマな気もする。行ったことのない場所や経験したことのないことを想像で作り上げる以上、どうあがいていても「寿司の屋台」みたいなものを爆誕させてしまうことは避けられないからだ。
実際、私も中華街が出てくるファンタジー小説を多く手がけたが、その中には中国人に文化的に間違っていると指摘されたものもあった。
今回はこの「寿司屋台問題」について見ていきたい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます