書評など
「前略、自殺した君へ」を読んで Mさんの感想文
(Mさんは私の海外の友達で、小説「前略、自殺した君へ。」を読んで感想文を書いてくださったのでここで公開します)
プロローグ
先週, 中原さんの著者としての才能を知りました。
この小説を読んで、思ったことやその気持ちを是非伝えたいなと思って、感想文を書くことにしました。Dさん(私と中原の共通の友人)が紹介してくれたこの小説を読むのがとても楽しかったのです。
この以下は私の主観的な感想にすぎません。
第一章 好きなところ:
1.まずはこのストーリーの最も凄いところは最初の方と思います。
最初の数章こそこの話に引きました。
なぜならミステリーは面白いのです。
なぜひとみが自殺したのか?
なんで悟がこの自殺の責任者なのか?
他の関係者は何をやったのか?
これらの質問の答えを知るまで読むのをやめたくなかったのです。
ここまでの流れはとても自然でした。
キャラクターの対話にもキャラクターの動機にもキャラクター自体にも
全てに興味を持ちました。
2.小説の仕組みは凄く独創的だと思います。
全てが遺書のように書かれたところが好きでした。
3.話のテーマが面白いです。
自殺、結構タブーなのでテーマにするのは(少なくても海外では)難しいと思います。
しかし、この作品でそのテーマはよく扱われていると思います。
自殺した人の周りに与える無念や苦痛を良く表現出来たと思います。
4.で、最後は言葉遣い。
言葉遣いが綺麗です。
特に外来語の使い方が好きです。
「リベンジポルノ」や「ガスライティング」等
よく見当たらない外来語を使うのは珍しいからこそユニークだと思います。
第二章 好きじゃないところ:
1.私は主人公の篠田悟が嫌いです。
彼は中二病すぎて結局自分の犯人捜しの目的を諦めて何の成長もできなくてまるで全部を台無しにしたような残念な人です。
これは次のポイントに繋がります。
2.キャラクター全員が成長しない。
これは極めて個人的ですが私はキャラクターの成長を見るのが好きです。
はるかちゃんが自分の罪を認め悟の犯罪者狩りに手伝って上げるとか
悟が「俺に敵などいない、誰にも敵などいないんだ」的なセリフを言って
ひとみの呪いから解放され本当の前進を出来るようになるとか期待していましたが結局誰も何の成長も得られなかったのです。
「ずっとお前が大嫌いだった。お前なんかに出会わなければよかった」
悟は話を進めたのではなく問題から逃げようとしただけだと思います。
3.ひとみちゃんの優しい女の子、まるで天使みたいな印象からゾナへの変化が不自然だと思います。
問題は変化そのものではなくてその変化まで伏線がまるでなかったことです。
普通はこれほどストーリーの軌道を変える変化があった時に思い返してみれば「ああ なるほど!そういうことだったのか」と思うことができます。
しかし、ここで思い返してみると私は「ええ? なんで?」としか思わなかったのです。
ちょっと急すぎたかなと思います。
最後の言い訳
全部をまとめると言いたいことはこの小説はめっちゃいい小説だと思います。
読んでよかったのです。
これからの新しい作品が楽しみです。
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