第1話②

「……一か月もこんな調子で審議の方法すら決まらない。このままでは第三身分が目指していた憲法の制定もままならない。そんな状況でパリの民衆が立ち上がったんだ。それがフランス革命の始まり。一番最初はバスチーユ牢獄が襲撃されたんだよ。

本当に何も知らないんだね。どこから来たの?」

「その前に、あなた誰?」

「私はロベスピエール。あなたのお名前は?」

「私は楠本あい。……てか、私なんでこんなところにいるの!?ここどこ!?」

「パリに決まってるじゃないですか。あなた、大夫ですかな?」

「大丈夫もなにも、怖いって、さすがに!急に私パリに来ちゃって……。これ、リアル?」

「りある……。」

「あ、英語だからだめなのか。現実っていえばわかる?」

「現実のことですか。」

 私、今なんでパリにいるの?ここはどこ?私は誰?

 服装は制服のままだ。ワインレッド色がオシャレなブレザー。でも場所だけパリに来てる。でもなんでフランス語じゃなくて日本語なんだろう。ま、そんなことはいっか。

「もちろん、現実でございますよ。」

 ロベスピエールさんは現実だと言っている。場所と時間だけワープ。なんか、ネット小説とかでありそうなかんじ。……ネット小説?

 最近流行ってるのは異世界転生ものだとか、聞いたことある。異世界転生、転生、転生……。

 私、もしかして。いや、まさかね。でも、今の状況が、そういうことだって証明してる。私、世界史の授業中に居眠りしてたら、

 「転生しちゃった!!」

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