もう、あの雨の日には還らない

ずっと

この海を失くしたいと

そう思っていました


この傷痕も消し去りたいと

そう思っていました



未だに海はさざめき

あたしの左足の傷は

とても薄くなったけれど

まだ残っています



けれど、あの日

あたしは朝日を手に入れました


あたしだけの朝日が

今は手に届くところに

いてくれます



だから

また思い出しても

また傷が痛んでも


もう

雨の日に泣くことは無いでしょう


心の奥に

冥い海を持ったまま

歩いていけると思うのです


歩いていかなきゃいけないと

そう、思うのです



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