あたしの中の冥い海

静野 ふゆ

逃げだとわかっているけれど

誰の目にも

とまらないところへ

堕ちてしまいたい


自分の狡さが


弱さが


汚さが


今はどうにもできなくて



見ないふりをして笑えなくて

誰でもそうだ、と

流せなくて



昏い夜の内でなら


冥い海の底でなら


眠れるだろうか


何処までも沈んだら

眠れるだろうか

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