【超能力先輩と角砂糖】

万、葵→3年生

ちよ、楓→2年生


万の受験が近くなって、ほぼ正式にちよが部長になる頃です。

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ち「先輩、コーヒー淹れますか?」

万「あ、ありがとう。砂糖……」

ち「角砂糖2つですよね。わかってます」


楓「あれ、小菊先輩ってブラックダメでした?」

葵「お前缶コーヒーは無糖で飲んでなかったか?」


万「いつもは砂糖なしだけど、今日は疲れてるからね」

葵「じゃあ、なんでちよは角砂糖2つって分かったの? 小菊が言う前に当てたよね?」

ち「なんとなく顔見たら分かりますよ?」


楓「いや、さも当然みたいな感じで言われても、全然分かんないから」

葵「勉強してるときは、いつも角砂糖2つなのか?」

ち「別にそういう感じで決まってるわけでもないですよね?」

万「まぁ、その時の気分次第だしね。勉強しててもブラックで飲むこともあるし」


葵「……なおさら、ちよが怖いな」

楓「ちよって、超能力者だったりするの?」


ち「先輩を理解する超能力なんてあるわけなくない!? 岸先輩でも無理でしょ」

万「アイツのことだから、出来たとしてもやらないって言うと思うけどね」

葵「そりゃそうだろ。何が悲しくて、友達のご機嫌伺いなんてしなきゃいけないんだ」


ち「まるで私が彼氏のご機嫌伺いでやってるみたいに言わないでください」

楓「……ふと気づいたんだけど、小菊先輩の休憩タイミングも把握してるんだね」

葵「そういえばそうだ!! こっちで普通に話してたのに!!」


ち「いや、それは、先輩が伸びをして、疲れてそうな顔をしたから……」

万「考えてみたら、そこまで理解されてるのもすごいな」


葵「確認だけど、人が欲しがってる角砂糖の数が分かる超能力じゃないよな?」

ち「なんですか、そのニッチ過ぎる超能力!!」

万「俺が万能の超能力者だからって、ちよにそんな変な超能力あげないよ!?」

楓「……でも、小菊先輩は似たような能力使えましたよね?」


万「……人が食べたいものを当てる超能力のこと?」

楓「それです。初めて見たとき、普通に怖かったので……」

ち「デートの時は便利なんですけどね」


葵「ちゃんと有効活用してるあたりが気持ち悪いな」


楓「試しにさ、私もコーヒー飲むんだけど、砂糖いくつ欲しいか当ててみてよ」

ち「いや、知らないよ……。んー、3つとか?」

楓「え、当たり」


葵「……はぁ!? 本当に!? え、ちよに変な超能力あげた?」

万「あげてないよ!? あげるとしたら、もっとまともな超能力あげるし……!!」


ち「いや、違いますよ!? 今のは、親友だから分かっただけで……」

葵「……楓って、いつも角砂糖3つなの?」

楓「いや、そういうわけでもないですね。たしかに3つの時は多いですけど、2つで抑えるときもありますし……」


葵「さすがに私のは当てられないでしょ」

ち「完全に適当ですけど、砂糖なしですか? 偏見というかイメージなんですけど」


葵「……小菊、お前やっぱり、なにかしただろ?」

万「当たってるの!? な、なんで!?」


ち「本当に偶然なんですけど!? え、なんか自分が怖い……!!」

楓「いや、怖がりたいのはこっちだよ……」

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