【超能力先輩と学食】

楓「きょうさ、学食行っていい?」

ち「学食? ああ、入学式の次の日に一回行って以来だよね」

楓「そうそう、見学とちょっとだけ味見で終わっちゃったからさ」


学食にて


ち「へー結構人いるんだね」

楓「学食のメニューじゃなくても、ここでお弁当とか食べてる人もいるしね」

楓「けど、問題は座る場所があるかって話だけど……」


ドン


万「あ、ごめん。って、友田さん。小桜さんは一緒じゃないの?」

ち「せんぱーい? 私居ますよー!!」

万「うわ、ごめん」スッ

楓「……?」


万「あれ?」

楓「小菊先輩、なんで急に屈んだんですか?」

万「いや、いつもみたいに、小桜さんが殴ると思って」

ち「なんですかそれ!! さすがに人前では殴りませんよ!! 人を暴力魔みたいに言わないでください」

楓「いつも殴ってることは否定しないんだね」


ち「それで、今日は先輩も学食なんですか?」

万「『今日は』っていうか、ほぼ毎日学食だよ。それか、購買とかコンビニのお弁当」

楓「あー、なんとなくイメージありますね」

ち「わかるかも。鏡柳先輩は自炊してて、岸先輩はお昼抜いてるみたいな」

万「すご、エスパー? 大当たりだよ」


楓「超能力者の2/3が不健康な生活なんだけど」

万「失敬な。学食は栄養バランス考えて作ってるから健康的だよ!!」

ち「……学食の割合って?」

万「多いときは一週間に二回とか……?」

ち「手に持ってる食券、カツカレーですよね」

ち「結局栄養バランス悪くないですか?」


万「ま、まぁ夜は野菜も食べてるから」

楓「この前、先輩、私があげた野菜チップス苦手とか言ってましたよね」

万「……野菜が苦手な子供でごめんなさい」

ち「素直でよろしい」


楓「それより、カツカレー美味しそうですね。私もそっちにしようかなぁ」

万「学食のカレーって大鍋でじっくり煮込んでるから、コクがあっておいしいんだよ。カツは冷凍の物だから少し噛み切りにくいけど」

楓「へー。じゃあ私、食券機の方に行ってきますね」

ち「あ、こっちで席取っとくね。先輩も空いてるところ探してくださいよ」

万「わりとあると思うけどね」


楓も戻ってきて


三人「いただきまーす」


万「あれ、友田さんのカツカレー大きくない?」

楓「これ大もりなんですよ。50円プラスでカツ二枚は結構いいなと思って」

ち「へー。一口貰っていい?」

楓「いいよー」


パクッ


ち「うん。結構辛いんだね。けど、美味しい!!」

万「二人の家のカレーってどんな感じ?うちはたいていチーズを入れるんだけどさ」

ち「あ、うちもたまにやりますよ。マイルドになっておいしいんですよね」

楓「私は、キーマカレーが多いかな。お母さんが好きなんだよね」

万「あーそうなんだ。俺は家でキーマカレー食べたことはないなぁ。今度作ってもらおう」

ち「キーマより夏野菜カレーとかの方が良いんじゃないですか?」


万「え、いやさすがにそこまで不健康じゃないけど…!?」

ち「でも付け合わせのサラダ残すつもりですよね」

万「うぐッ!! これはお腹いっぱいだから……」

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