【超能力先輩とサンタ】

椛「おい万、『サンタウォーズ』のリメイクが発売されるらしいぞ」

万「あー、俺達が小学生の頃にやってた超マイナーゲームでしょ」

ち「あ、私もやった事ありますよ」

万「そうなの? あのクソゲーを?」

椛「クソは言い過ぎだろ」


ち「たしか、近所のお兄さんが携帯ゲームに移植して持ってきてくれたんですよ」

椛「あ?コンバート出来ない機種だったはずだぞ?」


(※コンバートとは、SwitchなどのゲームをPC等でも遊べるようにすること。ゲーム会社がコンバートをするのはOKだが、個人的理由で行うと違法になる時もあります)


ち「うーん? 他のゲームと勘違いしてるのかな」


椛「そんなことより、リメイク楽しみだなぁ」

万「でも、ゲームの内容変わってないんでしょ? 超つまんなかったじゃん。あのゲーム」

ち「サンタさんがプレゼントを投げるだけのゲームで、良い子にはその子が欲しがってるものを、悪い子には教育にいい物を投げるんでしたよね」


椛「説明ご苦労」

椛「今回はSwitchだけで販売らしいな。それもダウンロード版だけだとよ」

万「前の機種はプレステ2だっけ?」

ち「私がやったのは、DSでしたけど」

椛「また懐かしい名前が出てきたな。DSとか、もう全部ぶっ壊れてるぜ?」


ち「サンタかぁ……」

万「小桜さんは、いつまでサンタ信じてた?」

ち(あ、ちょっと先輩たちにいたずらしよ。)


ち「え、どういう意味ですか?」

万「え……?」

ち「ん?」


椛「おいおい……」チラッ

万「えーと」チラッ


ち(たぶん、テレパシーで会話してるんだろうなぁ。)

ち(まだ、サンタ信じてるドッキリ!!結構うまくいってるかも。)


万「こ、今年はサンタさんから何もらうのかな?」

ち「うーん。まだまだ先なんでわかんないですけど、おしゃれなバックとかですかね」

万「そ、そうなんだぁ。俺はどうしようかなぁ……」

ち「先輩は去年、サンタさんに何お願いしました?」


万「ああ、えーと……。うーん、何だったかなぁ」

ち(めっちゃ困ってる。結構面白いかも)


万「去年は……」

椛「こいつが良い子なわけないんだから、もらえるわけないだろ」

ち「あはは、それもそうですね」

ち(さすが岸先輩、上手な返し方だな。)


万「そ、そういえば駅前にさぁ」

ち(先輩、ごまかすの下手だなぁ。そろそろネタバラシしよ。)


ち「先輩、冗談ですよ」

万「ほへ……?な、なにが?」

ち「サンタ、さすがに信じてませんよ」

万「えーと、どゆこと?」

椛「お前、俺たちをひっかけたな?」


万「…………あ!!あーはいはい。なるほどね」

万「まんまと引っかかったわけか……」

ち「先輩面白い反応してましたね」

万「そりゃ、幼女の夢を守るのが俺の使命だから」


椛「守り切れてなかっただろ」

ち「幼女じゃないです」


万「それに小桜さんは、妖精的っていうか、神秘的っていうか、ファンタジックっていうか……

椛「小桜はメルヘンチックなお姫様脳だから、本気でサンタを信じてそうだと思ったんだよ」

万「せっかく濁したのに!!」


ち「誰の脳内がお花畑ですって?」

万「そこまでは言ってない……」

ち「?」

万「あ……」


ゴンッ

ゴンッ


椛「すびばぜんでじた。もう二度といいません」

万「私も神に誓って言いません」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

テレパシーで話していた内容


万「小桜さん、サンタ信じてる系の女の子かな?」

椛「そんなバカなと言いたいが、小桜に限ってはあり得るな……」

万「え、俺達失言じゃね!?」

椛「お前何とかして誤魔化せよ。幼女の夢は守るんだろ?」

万「いや、無茶言わないでよ!?」

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