食人鬼

バブみ道日丿宮組

お題:斬新な血 制限時間:15分

食人鬼

「まただいぶ食い散らかしたものだね」

 そうつぶやく少年の前に広がるのは、四肢をもがれた人であったもの。頭がなかったり、腕がなかったり、瞳がかけていたりと、種類が豊富。

「美味しいものは美味しいっていいたいもの」

 それらを口に運ぶのは、小学生の容姿をした少女。

「だからといって、新しいものをすぐに食すことはないよ。これなんて指しか食べてない」

 キレイに指だけがない死体が少年がしめすところに存在してた。

「その娘はいまいちだったんだよね。いるならあげるけれど?」

 その死体の足をちぎると、少年へと差し出す。

「君みたいに食べることはしないよ。どちらかといえば、僕は血のほうが好きかな」

「そう。でも、ここにあるのはもうみんな血が流れちゃったかなぁ」

「また新しいのを狩りに行くときに一緒にいくよ。そのとき存分に血をすすろうと思う」

 その言葉でぱぁーと少女の顔が輝く。

「一緒にきてくれるの!?」

 願ってもないことだった。少女はずっと少年とご飯が食べたかったのだ。何度も誘っても少年は頷くことはなくて、少女は苦戦してた。

 それが実現可能になると思うと、心が落ち着かなかった。

「衛生問題もあるし、そろそろ身を固めようかなって思ってさ」

 うんうんと少女は嬉しそうに頷く。

「牧場も作らないといけないしね。よりすぐりの人体を集めないといけないね」

 少年たちは、食人鬼と呼ばれる鬼。人を食べて生きるもの。いわゆる人間にとっての危険物。

「この近くの街にはたくさん人がいるよ」

「知ってる。僕もそこで暮らしてたからね」

「人間の街で暮らしてたの? 大丈夫だった?」

 少女は首を傾げる。

「人間が僕たちに勝てるわけないでしょ。大丈夫に決まってる。とはいえ、食事は苦労したね。血なんて売ってないから、必然的に襲うことになる」

 少年の言葉に、人のこと言えないじゃないという疑問がわいたが、スルーした。

「たくさんいるから、どんどん捕まえよう。同じような顔をした人間をくっつけるのも面白いかもしれない」

 あくどく少年は笑う。

「まずは牧場を用意しないとね」

「場所は僕が用意しておくよ。君は中に入れる人間を集めてほしい」

「わかった!」

 

 そうして行方不明者が何人もうまれることになった。

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食人鬼 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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