第3話 悪党なんざ助けちゃくれない



 泣いて 泣き喚いて 駄々をこねて

 どうにかしてくれよ そう言ったって


 薄汚れた俺達の元にヒーローなんてやってこないさ

 皆を助ける素敵な救世主様なんて

 そんなの結局 どこを見たっていやしない


 そう

 現実にいるヒーローモドキは

 救いのあるやつだけを助けるんだ


 ヨゴレにヨゴレきった悪党なんざ

 きっと目もむけちゃくれないよ


 だって

 この世のほとんどは

 救われる余地のある者達でまわってる


 救いのない連中なんて いないみたいなもんだろう


 そんなの都市伝説だ っていう奴もいるかもな


 いつだって 悪党気取りながら

 泣いて 泣き喚いて 駄々をこめて

 心の中だけで 押し込めながら 救いを求めている


 現実の手で凶器を握り その指で銃の引き金を引きながら


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