祭囃子 〜ゆきちゃんとぴーひょろ〜



「わあ、夏祭りですね!」



「来ちゃったね。すごい、本当にお祭りだ。なんかちょっと久しぶり」



「物語的には九ヶ月ぶりなんですけど、それ以上ぶりな気がしますね」



「このシャンシャンぴーひょろ聞こえるのもいいね。お祭りって感じがする」



「お祭りくらいでしか聞けませんもんね」



「何か食べますか?」



「せっかくだしお祭りっぽいもの食べようか。やっぱりわたがしとかりんご飴とかかな」



「いいですね。どっちも食べましょうか」





「りんご飴なんて普段食べないからな。どうやって食べよう」



「ぺろぺろ舐めるしかないですよね」



「まぁ、そうなんだけど。あ、待って! ゆきちゃんそのまま」



「へ?」



「写真。浴衣にりんご飴は映えるよ。写真撮らせて」



「いいですけど……」



「よし、撮れた。かわいい」



「……」



「なんかいいね。ゆきちゃんの浴衣。一話のときは私服だったもんね」



「そうでしたね。ちょっと懐かしいです」



「ようやくタイトルっぽい話だよ。ゆきちゃんと夏祭りなんて」



「『彼女がお祭りにふんどしを締めてきた話』ですもんね」



「え? まさか……」



「さすがに締めてないですよ。今見返すと初期の私どうかしてますね……」



「確かに。最近変なことしないね、ゆきちゃん」



「最近は侑希さんがおかしいことも多い気がしますよ」



「それは思うけど。なんか僕情けないキャラになってるよね……」


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