高級! 〜ゆきちゃんと時計〜



侑希「か、買っちまった……」



ゆき「どうしたんですか? そんなに興奮して」



侑希「見て……!」



ゆき「箱?」



侑希「そう、ついに買ったんだよ……」



ゆき「梱包からめっちゃ高そうですね。何を買ったんですか?」



侑希「じゃーん。大人への第一歩、腕時計だよ」



ゆき「めっちゃかっこいいですね! あれ? 腕時計? 侑希さん持ってませんでしたっけ? ほら、第158話の『動かない 〜ゆきちゃんと壊れた〜』で、腕時計使ってるじゃないですか」



侑希「なんでそんなこと覚えてるの? すごいね。いや、前々から腕時計は持ってたんだけど、これはちょっと違うんだよね。なんと……」



ゆき「なんと……」



侑希「高級腕時計なんです」



ゆき「高級って、ブランドものってことですか?」



侑希「そうそう。ほら、一度は聞いたことあるでしょ」



ゆき「すごいですね! 聞いたことあります!」



侑希「あ、わかる? はぁ、すごいもの買っちゃったなー」



ゆき「えと、こんなこと訊くのはヤボかもしれないんですけど、えっと、おいくらくらいしたんですか?」



侑希「数十万……」



ゆき「すごいですね……」



夢葵「なになにー? なんか面白そうなことしてるね」



侑希「げ」



ゆき「見てください! 侑希さんが腕時計買ったんですって!」



夢葵「腕時計? 侑希が? うわ、これってめっちゃ高いやつじゃない?」



ゆき「数十万ですって」



夢葵「えー。あの侑希が? ふーん。偉くなったもんだねぇ」



ゆき「そうですね。順調に出世してくれるといいんですけど」



夢葵「今の時代どうだろうね」



侑希「誰目線で何を話してるんですか? この近所のおばさんたちは」


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