まひひめ その七
「お、今日も面白そうなの読んでるね」
「はい。これはやっぱりいつ読んでも面白いですね」
「ふーん。まぁ、読ませてよ」
「どうぞ」
姫「素敵なお菓子をもらったわ! とってもおいしそうなクッキーね。どこにしまっておこうかしら。あら? とってもさっぱりした匂いのする箱があるわ。ここに入れておけばよさそうね」
爺「ああ、姫様。その箱には果物が入っています」
姫「うーん。ちょっとお腹が空いてきたわ。でも、夕ごはんの前にいっぱい食べたら怒られそうだし……。そうだわ! さっきもらったクッキーを食べましょう! たしかこの入れ物に……。あった! よーし、いただきまーす! あむ、……っ! んっ、何かしら! すっぱいわ! クッキーがすごくすっぱい! もしかして、この箱に入ってたのって……」
梶井基次郎 『檸檬のいれもん』
「はい! ゆき先生! これは疑惑の判定じゃないですか!」
「ぎわく?」
「今まではタイトルを一文字くらい変えてただけなのに、今回は五文字も追加してますよ!」
「もうなんでもありにしてあげてください。作者も振り絞ってるみたいなんです。檸檬だけに……。なんちゃって」
「ちょっとうまいね……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます