絵本 その二



「ん? ゆきちゃんまた何か読んでるね。何読んでるの?」



「今日は夏目なつめ漱石そうせきです」



「ほんとに夏目漱石だよね……?」



「はい。このシリーズ本当に面白いんですよ」



「森鴎外と夏目漱石は同じシリーズじゃないと思うけど……。まぁ、読ませてよ」



「いいですよ」









姫「あ! 蝶々さんだわ! 蝶々さん、待てー!」



爺「ああ、姫様。噴水に近づくと危険です」



姫「待てー、待てー! あ、ああっ——」



 夏目漱石 『ぼっちゃん』









「何この本?」



「オチが面白いですよね」



「あ、入水してぼっちゃんってことか。くだらな」


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