水族館へ行こう 〜ゆきちゃんとデート〜
「わぁ、見てください! カニです!」
「ほんとだ」
「すごいです! あそこ、タコもいますよ!」
「おぉ、結構気持ち悪い……」
「あ! イカです!」
「おぉ……」
「アナゴもいますよ!」
「……」
「マグロです!」
「……。ねね、ゆきちゃん」
「?」
「もっと水族館らしいもの見ない?」
「どういうことですか?」
「なんかゆきちゃんさっきから水族館じゃなくても見れそうなのばっかり見てるんだよ」
「そうですか?」
「カニとかタコとかイカとかアナゴとかマグロとか……。市場かな、と思ったよ。それかお寿司屋さんか。食べられるやつばっかだし」
「私、食べられないんです」
「ん? なんのこと?」
「あれ? 侑希さんに言ってませんでしたっけ? 私お寿司食べられないんです」
「え? そうだっけ?」
「第三話『街中デート 〜ゆきちゃんとご飯〜』で……」
「ほんとだ! 生魚ダメって書いてある! って、何ヶ月前の話だよ。覚えてられるわけないよ」
「ひどいです」
「ああ、それはごめん……。ってか、別にこんなお寿司のネタみたいな魚ばっかり見る理由にはならないと思うけど。ほら、せっかく水族館来たんだし、水族館っぽいもの見ようぜ」
「ナマコとかですか?」
「たまに触れるコーナーみたいなのあるけど……。もっと水族館らしいもの見ようよ……」
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