かき 〜ゆきちゃんとひざまくら〜
「ゆきちゃん、おじゃまするね。あー、疲れた」
「どうぞ。そういえば、今日のお仕事は大変ってずっと前から言ってましたね。大丈夫だったんですか?」
「まぁ、なんとかね。でも、大変だったし、緊張はしたかな」
「お疲れ様です。ゆっくり休んでくださいね。あ! そうだ」
「ん?」
「久しぶりにひざまくらしましょうか」
「え? いいの」
「はい。どうぞ。こっち来てください」
「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて……」
「えへへ。せっかくなので綿棒で気持ちよくしてあげますね」
「も、もしかして、これは男子が一度は憧れる、あれですか!?」
「そうです。男の子の憧れ……、鼻かきです!」
「え? 鼻?」
「はい。鼻の穴を見えるようにしてください」
「え? ちょ、ちょっと待ってゆきちゃん」
「別に遠慮しなくてもいいですよ。ほら、鼻の穴を見せてください」
「いやいや、違う。そうじゃなくて、普通鼻かきなんてしないから」
「へ?」
「へ? じゃなくて。鼻かきなんて初めて聞いたよ」
「じゃあ訊きますけど、侑希さんは最近鼻の穴掃除してるんですか?」
「それは、してないけど……」
「だったら、私がやりますね」
「じゃなくて、じゃなくて。普通鼻の穴なんて他人に掃除してもらわないんだって」
「でも、掃除しないとたまっちゃいますよ。ほら、大人しくしてください」
「待って、綿棒なんて鼻に突っ込まないで! ちょ、やばい! ふごっ! ……あれ?」
「どうですか?」
「意外と気持ちいいかも……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます