かき 〜ゆきちゃんとひざまくら〜



「ゆきちゃん、おじゃまするね。あー、疲れた」



「どうぞ。そういえば、今日のお仕事は大変ってずっと前から言ってましたね。大丈夫だったんですか?」



「まぁ、なんとかね。でも、大変だったし、緊張はしたかな」



「お疲れ様です。ゆっくり休んでくださいね。あ! そうだ」



「ん?」



「久しぶりにひざまくらしましょうか」



「え? いいの」



「はい。どうぞ。こっち来てください」



「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて……」



「えへへ。せっかくなので綿棒で気持ちよくしてあげますね」



「も、もしかして、これは男子が一度は憧れる、あれですか!?」



「そうです。男の子の憧れ……、鼻かきです!」



「え? 鼻?」



「はい。鼻の穴を見えるようにしてください」



「え? ちょ、ちょっと待ってゆきちゃん」



「別に遠慮しなくてもいいですよ。ほら、鼻の穴を見せてください」



「いやいや、違う。そうじゃなくて、普通鼻かきなんてしないから」



「へ?」



「へ? じゃなくて。鼻かきなんて初めて聞いたよ」



「じゃあ訊きますけど、侑希さんは最近鼻の穴掃除してるんですか?」



「それは、してないけど……」



「だったら、私がやりますね」



「じゃなくて、じゃなくて。普通鼻の穴なんて他人に掃除してもらわないんだって」



「でも、掃除しないとたまっちゃいますよ。ほら、大人しくしてください」



「待って、綿棒なんて鼻に突っ込まないで! ちょ、やばい! ふごっ! ……あれ?」



「どうですか?」



「意外と気持ちいいかも……」


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