来ないでぇ! 〜ゆきちゃんと行きたくねぇ〜



「いやああああああああーっ!」



「なんですか侑希さん。うるさいですよ」



「仕事! 仕事がやってくるぅ! 休みが終わるぅぅ!」



「もう、そんなことで騒がないでください。思い出してください、いつもは週休二日じゃないですか」



「いやぁ。僕の正月休みがー! 会社行きたくねぇ」



「夏休み明けの小学生じゃないんですから。駄々こねないでください」



「ああ、除夜の鐘も初詣も全部幻だったのかな。楽しかったなぁ。明日から会社なんて信じられないよ」



「幻じゃないです。早く明日の準備を始めてください」



「ゆきちゃんは仕事いつからあるの?」



「今日です」



「え!? じゃあ、仕事終わりに僕の家に来てくれたってこと?」



「そうです。ほら、準備しますよ。スーツのアイロンがけは終わってますか?」



「……なんかごめんね。僕の方が休み多かったのに情けないこと言っちゃって」



「だから、何回も言ってるじゃないですか。人と比べる必要はないんです」



「……」



「ほら、お互いお仕事がんばりましょう。それで、終わったら二人でお酒でも飲みませんか?」



「……ありがとう」


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