そういえば 〜ゆきちゃんと容姿〜



「そういえば昨日の話で思ったんですけど」



「うん」



「このお話を観てくださってる読者さんって私たちの容姿を知らないですよね」



「ああ、確かに。地の文がないからね」



「わかってることといえば、侑希ゆうきさんの私服がかっこよくないことくらいですか?」



「……」



「あれ、聞いてますか?」



「読者さんはまさかゆきちゃんが体重百二十キロだとは思ってないだろうな」



「ねぇ! 勝手なこと言わないでください! その半分もないです!」



「半分はあるでしょ」



「ないです! 勘違いされるのでやめてください。それをいうなら侑希さんだって、膂力りょりょくたくましい筋骨隆々のゴリマッチョじゃないですか」



「どこが!? どう見ても標準でしょ」



「どこが標準ですか! 侑希さんは痩せすぎですよ」



「今のゴリマッチョの話なんだったの!?」



「皮肉です」



「はぁ。まあ、文芸なんだし、僕らの容姿は読者さんのご想像にお任せしようか」



「そうですね。あ、でも一つだけ」



「ん? 何?」



「描いてくださる方おられましたら、私たちのイラスト募集してます」



「こら。そういうのはちゃんとイラストレーターさんに依頼しなさい」


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