聞かれた 〜ゆきちゃんと上司〜



侑希ゆうきさん、聞いてください」



「どうしたの?」



「この前のことなんですけど、他のクラスの先生と学年主任の先生についての話をしてたんですよ」



「うんうん」



「そうしたら、気がついたら学年主任の先生が後ろにいて……」



「わーお」



「幸い、悪口じゃなかったのでことなきを得たんですけど」



「危なかったね」



「こういうことってありませんか?」



「あるある。僕なんて一回悪口聞かれたことあるから」



「え!? 大丈夫だったんですか?」



「まぁ、上司も自分が悪口言われてる自覚があるような人だったからなんとかなったけど」



「あれですね。しんしゅちゅっ」



「……」



「……」



「……」



「……」



「……」



「神出鬼没ですね」



「なかったことにしないで」


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