天の川 〜ゆきちゃんの修学旅行〜



「あ、そういえば、私明日から京都に行ってきます」



「え? 明日から? 何で急に?」



「修学旅行です」



「ああ、そういうことね」



「綺麗な紅葉が見られるのが楽しみです」



「この前、僕とは一緒に行ってくれなかったのに学校の人とは行くんだね」



「そういう面倒くさいのは嫌われますよ」



「ごめん、冗談だって。って、それにしても急すぎない? 普通修学旅行って結構前から日程決まってるでしょ? 何で前日?」



「えへへ。忘れてました」



「本当にゆきちゃんのこと心配なんだけど。大丈夫? 僕なしで行ってこれる?」



「大丈夫ですって。教頭先生もいますし」



「児童の前で堂々と余り物のプリン食べた人でしょ? 全く信頼できないよ」



「でも、侑希ゆうきさんと少しの間、逢えないのは寂しいですね」



「まぁ、それは、そうだね。特に僕の場合いきなり聞かされたわけだからね」



「私だって明日も逢えるつもりでしたけど、ついさっき思い出したんです」



「修学旅行なんて一大イベントをついさっき思い出すなよ」



「なんか、織姫様と彦星様になった気分ですね」



「センチメンタルすぎだよ」


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