cage ~ ケージ

NANKICheese

1

時は、西暦にして2XXX年。超高度最先端テクノロジーの支配下に置かれたある惑星の話。


その惑星は、かつて地球と呼ばれていた蒼く輝かしい星。

そこで人類は、富や利便性を求め、技術やテクノロジーの進化に尽力と金を惜しみなく注いできた。


気の遠くなるような長い時間ねんげつのなか、人間は長い歴史の間に身につけた英知で、思うままに全てを手に入れようとしていた。

だが、我々人間が最強の生物だという、おごりの中に溺れてきた証は、のちに明かされるのであった。

大きな過ちだと言う事が…。



惑星の中心都市部【フォレスト】から遠く離れたある施設内。 


 〔施設内に立ち尽くす男の姿が映し出される〕


白っぽい半透明の壁と床、そのガランとした内部に、一人の男の姿があった。電子音の様な規則的な音が静かに響き、寂しげな空間が広がっている。

男が機械のような物に触れると、砂嵐のようにザ——ッと残像まじりに、跡形もなく消え去っていく。


 〔立ち尽くす男が目撃みた記憶・早巻きで戻る画〕


フォレストの地、目をカッと見開き、頭を抱えひざまずく別な男の姿があった。


(錯乱したその男の声)「ああ…ついに…ついに終わりが始まった…始まったんだああああ」


周りの通行人らは、その男の様子を、怪訝けげんな表情で見ながら通り過ぎて行く。時には顔を見合わせたり、遠まきに見ては通り過ぎて行ったり、少し野次馬もできていた。


ひざまずいたその男は、見てしまったのだ。


何人もの人間が消え去るところを。跡形もなく…

透明になり、完全なまでに無になりゆく様を。











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