第17話 鯛めしですわ
数ある炊き込みご飯の中でもぶっちぎりの最強は鯛めしですわ。
宇和島名物の刺身を使った鯛めしもいいですが、ここは土鍋でふっくら炊き上げた鯛めしですわ。
鯛の出汁を吸った米と細かく混ぜた鯛の身の濃厚さは超が付くほどの美味しさですわ。
もちろん魚特有の生臭さは事前に昆布を敷いたフライパンで蒸し焼きにして消しておきましたわ。
米と炊く時には頭と骨も一緒に入れる事で鯛の旨みと油を無駄なく染み込ませましたわ。
炊き上がるのを待つのは楽しい一時ですが同じぐらいもどかしいですわ。
土鍋の蓋を開けて炊き上がった鯛めしのかぐわしい匂いだけでほぼイキかけましたわ。
丹念に混ぜた鯛の身入りの米を茶碗に盛れば、まさに日本の至宝と言っても過言ではないですわ。
一口頬張れば米に限界までしみ込んだ鯛の味でヘブン状態ですわ。
二杯目はすった白ごまをかけた香ばしい鯛めしですわ。
三杯目は三つ葉を散らした味わい深い鯛めしですわ。
途中で喉を潤すのはアラで出汁を取った鯛の味噌汁ですわ。
濃厚な鯛の脂で気分はお殿様ですわ。
四杯目からは少し醤油を垂らしてもう一巡しますわ。
都合六杯楽しんで心もお腹も大満足ですわ。
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