3月11日 たいせつなひと

 3.11でしたね。

 毎年、この日は十一年前のことを思い出します。


 あの日、皆さんは何をしていましたか?


 小学校一年生の私はたまたま早帰りで、のんびり祖父と三時のおやつの準備をしていました。


 私の記憶の中で、一番大きな揺れでした。

 ドン、という縦の振動。地面が回るような横揺れ。


 あんまりの出来事に、慌ててストーブを消して外に逃げました。

 電線の揺れ方に驚いたのを覚えています。

 台風の日よりも、ずっと大きく、意志を持ったみたいに揺れていましたから。


 揺れがおさまってから付けたテレビはどのチャンネルも同じことを報道していて、繰り返す地震警報の音にざわざわと胸騒ぎがして、何となく子供ながらに「大変なことが起こってる」ということだけが理解出来ました。


 ポニョの津波と現実の津波の違い。

 丈夫なはずの建物が倒壊している様子。


 突然知らない世界を見た気がしました。




 小学二年生の時に、福島から被災した友達が出来ました。


 いつだったか「福島はどうだったの?」と質問しました。


 彼女は「ブランコしてて全然気付かなくて、近所の人に怒られて、『あ、地震なんだ!』って知って、走って家帰ったんだけど、地面が面白かった!」って言ったんです。


 衝撃的でした。

 新潟よりも遥かに大きな揺れ。

 それなのにケロッとしてる。


 自分が思っているよりも、人間ってたくましいのかもしれないって思った瞬間でした。



 3.11


 何年経ってもあの日のことを忘れることは出来ない。

 今日くらいは、隣にいる「大切な人」のことを想って、一緒にいることができる幸せを噛み締めてみるのもいいかもしれない。


 当たり前って、当たり前にいつも手元にある訳じゃないもんね。

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