第16話 ギルドカード発行
この水晶は触るのは登録時だけなので、冒険者なってから悪どい事をやった人は、排除出来ない。でも、ギルドカード紛失後の再発行では再びチェックが入るようだ。
「大都市の入口なんかでも同じもので調べられるぞ」
なるほど~。
「登録は出来るな。それから、マスター権限でカードの登録内容を偽装出来るし、した方が良いだろう」
どういう事?
「ハイ・エルフとか、エルダー・ドワーフとか、進化種族は余計なことに巻き込まれないよう、偽装がギルドマスター判断でされてるんだ。お嬢ちゃんの場合、ヒューマンで偽装しておいた方が良い」
そこはエデンさんにお任せして、アタシは冒険者登録をする事にしたのだけど。
「従魔も登録した方が良いからな」
「じゃあ、2体ね」
そう言って、熊ポンチョフードに埋まってたオレンジヒヨコも取り出す。
「は?何だそれは?」
「極楽鳥のマーニャですっ」
極楽鳥と聞いたとき、エデンさんの様子がちょっと変わったけど、なんだろう?
ともかく、アタシの冒険者ギルドカードはこんな感じになった。
名前:ペネロッテ
種族:ヒューマン
年齢:12歳
LV:5
スキル:槍術、影魔法
従魔:空魚(インペリアルゼブラプレコ)、極楽鳥
スキルについては隠す事も可能だけど、実力を宣伝する効果もある。
アタシの場合、影魔法が珍しくて知られていない事と、影空間収納からしょっちゅう出し入れするので、むしろ書いた方が良いって言うオススメだった。
それから、ナツコさんとマーニャについては、珍しくて言い掛かりつけて奪おうとする奴が絶対出るから、しっかり書いておくように、とも言われた。二人とも可愛いものね。
影空間収納から素材を出していくとその量に驚かれる。
買い取ってもらう品は、鹿肉や熊肉、猪肉、ウサギ肉が大変喜んで貰えた。
村の猟師だけだと村人の腹に収まってもまだ足りないんだそうだ。自分たちで食べる分を残して売ることにする。
それから、大量の大蜂の甲殻と毒針、そして、ハチミツ!
「おいおい、こりゃあ……駆除希望が上がってはいたが、手をつけられないでいた、キラービーじゃないか。巣は壊していないか?女王蜂はどうした?」
「蜂の巣は丸ごとゲットしたよ。女王蜂は、これかな?」
巣の一部のかけらと、女王蜂の死体はまだ錬金してなかったので、その場に出した。女王蜂は土佐犬位の大きさがある。普通の蜂が秋田犬位だったものね。
「女王蜂の討伐証明は、頭部だ。そこだけあれば良いが、他の部位も高く売れる。それと提案があるんだが」
何でしょう?
「薬草採取とか、いくつかの簡単なクエストをやってくれれば、こいつらの討伐証明とあわせて、冒険者ランクをGからEまで一気に上げられる。戦闘力は問題ないから、その後もいくつかの条件クエストをクリアすれば、Cまでは到達するだろう。ただし、リデル村で上げられるのはEまでだけどな」
その後の条件と言うのが、護衛クエストだったり複数の街のクエストクリアらしいので、そりゃあリデル村では無理な訳だ。
アタシは早速、村周辺にある薬草を図鑑で見せてもらい、薬草採取に出掛けることにしたのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます