第6話 一角ウサギとの出会い

 一通り、ステータスの確認が終わったところで、周りに気配を感じたアタシ。



 草むらのなかに灰色の尖った先が見える。



 頭隠して角隠さず!一角ウサギだね。もしかして、こっちに狙いを定めているのかしら。



 じっと見ていると、一角ウサギは5歩助走してアタシにジャンプ突進!



 角を槍のようにして突き出してくる!



 パシッ



 難なくワンハンドキャッチ!



 シーンと静まり返った両者の間。



 ウサギは空中で後ろ足バタバタ、上目遣いにしかならない体制でこっちを見る。



 槍術LV7にこんな突撃たぁ、舐めプかな?



 手のひらを返して右腕を伸ばしたまま上に振り上げ。



 ベチーン!!



 後頭部から地面に叩きつければ、はい、お仕舞い。



「悔しかったら、次は額の角取り外す事が出来てから来るんだね~」



 アタシがそう言った時だった。



 叩きつけたウサギ、まだ生きてた。モゾモゾ動きだし、頭振って~



 ポロリ



 角もげた~!



 坊主頭のウサギは、悔しそうな顔して涙目でこっちを睨むと、脱兎の如く、じゃなくて脱兎そのまま、逃げてった……



 ちょっと呆然としちゃったよ。



 あれ、取り外し出来ないはずだけど。それ以前に、アタシの力で叩きつけて無事って、ちょっと信じられない。



 その後、アタシは気になって、周囲を探して何匹か一角ウサギを狩った。みんな一撃で倒せたし、角が取れる奴もいなかった。あれが特殊個体だったんだろうか。



 影空間にウサギの死体を10匹収納した後、アタシは錬金術を試すことにした。



 死体にまずは錬金術を発動!


 角、毛皮、肉、後ろ足、その他内臓スプラッタに分別される。解体が楽で良いや。



 これを繰り返して、10体分の素材を前に考える。



 閃いたっ!



 一旦素材を影空間にしまい、生活魔法で穴堀して内臓を埋める。土を被せてから、生活魔法で水を出して手を洗う。それから。


 木が生えているところまでダッシュ。そのままジャンプしてドロップキック!



 ウサギの角を全部収納から出して、錬金合成!



 ウサギの大角を合成!



 吹き飛んだ木とウサギの大角で錬金術!



 やった!一角ウサギの大槍が完成だ!



 続いて、ウサギの毛皮と後ろ足を出してから錬金術。



 ウサ皮のブラとパンツ、帽子、足袋が完成した。後ろ足の腱の部分が、ゴムの代わりになった。



 これで、露出狂卒業だ~!


 早速身に付けてみる。


 モフモフやで~!


 肌触りも意外と良い。パンツにはさくらんぼみたいに小さなボンボンも付けたんだ。可愛くて満足!


 これで後は、マントかローブでも作れればなお、良しかな。


 と、なると、もっと大きい獲物が居ないかなあ。

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