第八百四十九話 マリー・エドワーズと真珠は錬金塔の作業室で目覚め、クレムの錬金作業を見る

マリーは作業室の床の上で目覚めた。

睡眠状態で床にべしゃっと倒れ伏していた真珠も起き上がっている。


「わうわぅ、わうー、わうう」


「おはよう、真珠、クレム」


真珠とマリーはそれぞれに挨拶をして、錬金窯の前で錬金作業をしているクレムに視線を向けた。


「おはよう、真珠、マリー。オレが起きた時、真珠もマリーも寝てて暇だったから、錬金窯借りてるぞ」


「わうう、わんわんっ」


「クレム、何を錬金してるの?」


真珠とマリーは小走りで、錬金をしているクレムに駆け寄る。


「今は爆弾を作ってる。オレの攻撃手段のひとつが、爆弾を投げることだからなっ」


「前にクレムとパーティーを組んで西の森に行った時、クレムは爆弾投げてたもんねえ」


「わんっ」


マリーの言葉に真珠が肯いた直後、可愛らしいハープの音が鳴った。

フレンドからの返信が来たようだ。


「真珠、クレム。フレンドからメッセージが来たみたい。確認するね。もしかしたら情報屋さんからのメッセージかもっ」


マリーは真珠とクレムにそう言って、ステータス画面を出現させた。

そしてフレンドからのメッセージを確認する。

メッセージの送り主は、マリーの予想通り、情報屋だ。

マリーがログアウト前に送ったメッセージの返信だった。



マリーさん。今から15分間は時間が空きます。

宜しければ私の『ルーム』にお越しください。

会えそうなら連絡をお願いします。

マリーさんの情報を楽しみにしています。



情報屋からのメッセージを読んだマリーは、真珠とクレムに視線を向けて口を開いた。


「真珠、クレム。情報屋さん、今から15分間は時間が空くって。クレム、錬金終わりそう? 私や真珠と一緒に教会に死に戻って、情報屋さんに会いに行く」


「行く行くっ。じゃあ、錬金終わりにするなっ」


クレムは錬金を終わらせるための作業に入り、真珠は錬金窯の前に立って作業するクレムを真剣な表情で見つめている。

真珠も錬金を覚えたい!!

マリーは情報屋に『今すぐ教会に死に戻って、情報屋さんのルームに行きます。真珠とクレムも一緒です。どうぞよろしくお願いします』と記載して送信した。


その後、錬金作業を終えたクレムは『ライト』を使いまくって死に戻り、マリーは砂糖を入れ終えた素焼きのツボを左腕の腕輪に触れさせてアイテムボックスに収納して、その後、自分と真珠に『エリア・インビジブル』スキルを使い、魔力枯渇になって教会に死に戻った。


そしてマリーと真珠、クレムは教会で合流し、情報屋の『ルーム』に向かう。

マリーに与えられた時間は15分しかない。

マリーは、情報屋に高値で情報を買い取ってもらうために、気合を入れた。


***


マリー・エドワーズのスキル経験値が上昇


エリア・インビジブル レベル1(50/100)→エリア・インビジブル レベル1(60/100)


マリー・エドワーズの最大MP値が上昇


MP 67/67 → MP 0/68 


光月14日 夜(5時51分)=5月29日 21:51

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