第五百六十五話 5月21日/晩ご飯に牡丹鍋を食べた後にログインして、転送の間で晩ご飯を食べたと報告し、GP1を取得する
自室に戻った悠里は充電しているスマホを手にした。
要からのメッセージは来ていない。
「要先輩の手作りカレー、まだ食べてるのかなあ……」
来ないメッセージを待つよりも『アルカディアオンライン』をプレイする方が有意義かもしれない。
悠里はベッドに置きっぱなしにしていたゲーム機とヘッドギアの電源を入れ、ヘッドギアをつける。
部屋の電気はつけっ放しにしておく。
目を閉じて寝ているだけだから、部屋の電気を消した方が節電になるけれど、目覚めて真っ暗なのは嫌だ。
「情報屋さんの『ルーム』で強制ログアウトしちゃったから、迷惑かけたことを謝ろう」
悠里はそう言いながらベッドに横になり、目を閉じた。
「『アルカディアオンライン』を開始します」
サポートAIの声がした直後、悠里の意識は暗転した。
気がつくと、悠里は転送の間にいた。
無事にログインできたようだ。
「プレイヤーの意識の定着を確認しました。『アルカディアオンライン』転送の間へようこそ。プレイヤーNO178549。高橋悠里様。ワールドクエスト『ヘヴン島の女王 ヘヴン島の覇権をめぐる攻防』に関連してヘヴン島の港への転送魔方陣をご用意しています。ヘヴン島の港への転送魔方陣が使用できるのは一度だけなのでご注意ください」
サポートAIの言葉を聞いた悠里は姿見の鏡の近くに設置されている魔方陣を見ながら口を開いた。
「私、ワールドクエスト『ヘヴン島の女王 ヘヴン島の覇権をめぐる攻防』は参加しない方針なので……。サポートAIさん。私、晩ご飯を食べましたっ。GPをくださいっ」
「確認します。プレイヤーNO178549。高橋悠里様の脳波確認。確認中……。トゥルース。高橋悠里様に1GPが付与されます。高橋悠里様の現在の取得GPは23GPです」
「まだワールドクエスト『ヘヴン島の女王 ヘヴン島の覇権をめぐる攻防』は達成も失敗もしてないですよね?」
「確認します。確認中……。確認終了。ワールドクエスト『ヘヴン島の女王 ヘヴン島の覇権をめぐる攻防』は達成でも未達成でもありません」
「やっぱりまだワールドクエスト『ヘヴン島の女王 ヘヴン島の覇権をめぐる攻防』が続いてるんだ。怖い……」
そう呟いた悠里は、まだワールドクエスト『ヘヴン島の女王 ヘヴン島の覇権をめぐる攻防』のクエスト内容を全部きちんと確認していないということに気がついた。
「ステータス」
悠里はステータス画面を出現させてワールドクエスト『ヘヴン島の女王 ヘヴン島の覇権をめぐる攻防』のクエスト内容を表示させた。
***
高橋悠里の取得GP 22GP → 23GP
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