第五百四十八話 5月21日/大好きな先輩にメッセージを送信した後にトイレに行ってログイン

悠里はスマホの画面を見つめて要へのメッセージを書き始めた。





要先輩。さっきお祖母ちゃんと一緒に『レディ・ローズ』の薔薇の花のチョコレートとマカダミアナッツのチョコレートを食べました。

ものすごくおいしかったです……!!

お祖母ちゃんもすごく喜んでいました。ありがとうございます。


それで、要先輩へのお礼にお菓子を作ってプレゼントしたいと思うのですが、要先輩はどんなお菓子が好きですか?


あと、私のお祖母ちゃんが『青龍の傷を癒す』という固有クエストをやっていると聞いてびっくりしました。

『青龍は神様だ』とお祖母ちゃんは言っていました。

私は青龍はレイドボスだと思っていたので神様だと聞いてびっくりしました。


これから要先輩と撮った写真を見て、その後で『アルカディアオンライン』をプレイするつもりです。

『レディ・ローズ』のチョコレート、本当にありがとうございました。





悠里は自分が書いたメッセージを読み直して確認し、要に送信した。


その後、通学鞄から要と撮ってプリントアウトした写真を取り出し、ベッドに座って写真を見た。

写真の中の悠里と要は楽しそうに笑っていて、見つめるだけで幸せになる。


悠里は写真を見ながら、要とキスをしたことを思い出してベッドの上に倒れ込み、足をバタつかせた。


「思い出しただけでも照れる。顔、熱い……っ」


悠里は勢いよく起き上がって、写真を封筒に入れて引き出しにしまう。

そして悠里は『アルカディアオンライン』をプレイすることにした。


「ゲームをプレイする前にトイレに行っておこう」


悠里は自室を出てトイレを済ませた後、充電していたゲーム機器をコードで繋ぎ、ゲーム機とヘッドギアの電源を入れてヘッドギアをつけた。

ベッドに横になり、目を閉じる。


「『アルカディアオンライン』を開始します」


サポートAIの声がした直後、悠里の意識は暗転した。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る