第四百四十八話 5月17日/お風呂に入った後にログインしてGP1を取得する



悠里は祖母から食器洗いを免除され、足取りも軽く歯磨きに向かう。

歯磨きを終えてトイレを済ませ、悠里はダイニングに引き返した。


ダイニングでは祖父がスマホを見ながら緑茶を飲んでいた。

悠里は祖父に歩み寄り、口を開く。


「お祖父ちゃん。私、一番にお風呂に入ってもいい?」


「いいぞ。長風呂だと困るけどな」


「ありがとう。じゃあ、湯舟にお湯を入れてくる」


悠里は祖父にお礼を言ってダイニングを出た。


ダイニングを出た悠里は浴室に行き、浴槽にお湯を入れて二階の自室に向かう。

お湯が溜まるまで英単語を記載した単語カードをパラパラと見て暗記をした後、お湯が溜まった頃合いを見計らって、パジャマを持って浴室に向かった。


長風呂にならないように気をつけながらお風呂に入り、パジャマに着替えて髪を乾かしてブラシで梳かし終えた悠里は、トイレに入ってから自室に向かう。

これで、心置きなく『アルカディアオンライン』で遊べる……!!


自室に戻った悠里がスマホで時間を確認すると20:15だった。

悠里は要からの返信の内容を思い出しながら口を開く。


「要先輩は夜の9時半くらいから『アルカディアオンライン』をプレイするってメッセージをくれたんだよね……」


夜の9時半……21:30まであと一時間十五分。

そんなに待てない!! 悠里は今すぐにゲームで遊びたい!!


「ゲームしよう……っ」


悠里は自分のゲーム欲を満たすことにした。

今日は中間テストの勉強もしたし、英単語カードを見たし、頑張ったから自分にご褒美をあげよう。

校長室での話し合いも大変だったから、ゲームで遊んで楽しい時間を過ごしてもいいはずだ。


悠里はベッドの上に置きっぱなしにしているヘッドギアとゲーム機の電源を入れ、ヘッドギアをつけてベッドに横になり、目を閉じる。


「『アルカディアオンライン』を開始します」


サポートAIの声がした直後、悠里の意識は暗転した。


気がつくと、悠里は転送の間にいた。

今回は中学の制服姿ではなくパジャマ姿だ。

……なんで? 

悠里は不思議に思ったが、考えるのが面倒くさいのでスルーすることにした。


「プレイヤーの意識の定着を確認しました。『アルカディアオンライン』転送の間へようこそ。プレイヤーNO178549。高橋悠里様。新しいワールドクエストが発生しています。詳しくはステータス画面の『クエスト確認』をご確認いただくか、転送の間でサポートAIにお尋ねください」


「新しいワールドクエストが発生してるの!? でもまずGPをくださいっ。私、晩ご飯を食べました!!」


「確認します。プレイヤーNO178549。高橋悠里様の脳波確認。確認中……。トゥルース。高橋悠里様に1GPが付与されます。高橋悠里様の現在の取得GPは17GPです」


「ありがとうございますっ」


悠里は地道にGPを取得した後、新たなワールドクエストを確認するためにステータス画面を出現させた。


***


高橋悠里の取得GP 16GP → 17GP



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る