アルカディアオンライン【高橋悠里 中学一年生・一学期終了編】
第三百八十三話 マリー・エドワーズはフローラ・カフェ港町アヴィラ支店で情報屋からのメッセージを受け取り、真珠は慌てて『フローラ・バナナマフィン』を食べ終える
第三百八十三話 マリー・エドワーズはフローラ・カフェ港町アヴィラ支店で情報屋からのメッセージを受け取り、真珠は慌てて『フローラ・バナナマフィン』を食べ終える
情報屋にメッセージを送り終えたマリーはステータス画面を消した。
そしてマリーの膝の上でおとなしく座っている……『フローラ・バナナマフィン』を凝視している真珠の頭を優しく撫でて微笑む。
「真珠。お待たせ。『フローラ・バナナマフィン』を食べようね」
「わんっ」
真珠はマリーの言葉に肯く。
『フローラ・カフェラテ』はリアルのカップと同じだが『フローラ・バナナマフィン』は包装されていない剥き出しの状態だ。
マリーは『フローラ・バナナマフィン』の紙のカップをビリビリと破いてバナナマフィンを真珠の口元に寄せる。
「真珠。『フローラ・バナナマフィン』だよ。甘くておいしいよ」
「わんっ」
真珠はマリーが持っている『フローラ・バナナマフィン』の匂いを嗅ぎ、マフィンを舌先で舐めた後、マフィンにかぶりついた。
甘い!! おいしい……!!
真珠が初めて食べる『フローラ・バナナマフィン』のおいしさに感動しながらマフィンをもぐもぐ食べていると可愛らしいハープの音が鳴った。
フレンドからのメッセージが来たようだ。マリーはマフィンを左手に持ち替えてステータス画面を出現させ、フレンドからのメッセージを確認する。
「情報屋さんから返信が来た」
マリーは情報屋からのメッセージを確認する。
♦
マリーさん。今、私は顧客と商談中なのですが、顧客がマリーさんと真珠くんの同席を望んでいます。
顧客の名前はマギー・ジレンホール。彼女はマリーさんのフレンドだということですが、同席しても宜しければ今すぐに私の『ルーム』にお越しください。
マリーさんの返信をお待ちしています。
♦
「真珠。今、情報屋さんの『ルーム』にマギーさんがいるんだって。今から会いに行こうね」
「わおんっ」
真珠はマギーに会うために、マリーが持っている『フローラ・バナナマフィン』を急いで食べることにした。
マリーは真珠と自分の『フローラ・カフェラテ』と自分の分の『フローラ・バナナマフィン』を左腕の腕輪に触れさせてアイテムボックスに収納した。
真珠は口いっぱいにマフィンを頬張りもぐもぐと咀嚼する。
真珠が『フローラ・バナナマフィン』を食べている間にマリーは情報屋に『今から真珠と一緒に情報屋さんのルームに行きます』と返信をしてトレイを自販機の横にあるカウンターに持っていく。
マフィンを飲み込んだ真珠はトレイを片付けているマリーに駆け寄る。
マリーが自販機の横にあるカウンターにトレイを返却すると、トレイはカウンターから消えた。
さすがゲーム。データだからこそできることがあるとマリーは感心する。
マリーはフローラ・カフェ港町アヴィラ支店入り口のカウンターで会員カードを返却してもらい、情報屋の『ルーム』に行きたいと告げる。
神官に『ルーム』への階段を出現させてもらったマリーは真珠を抱っこして階段へと向かった。
***
紫月22日 早朝(1時16分)=5月16日 11:16
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