第百五十八話 高橋悠里はフレンドたちからのメッセージを確認してワールドクエスト『鑑定師ギルドの副ギルドマスターの恋人選定パーティー』を受注する



悠里はウェインのメッセージを確認した。


「ワールドクエストに私の……じゃなかったマリーの名前が出たからメッセージをくれたんだ。情報屋さんとバージルさんも似たような内容のメッセージなのかな?」


悠里は情報屋のメッセージを確認した。


「情報屋さんもワールドクエストのことを聞きたかったみたい。バージルさんからのメッセージも確認しよう」


悠里はバージルからのメッセージを表示した。





マリー。無事に領主館に入れたか?

さっき、ワールドクエストのアナウンスでマリーの名前を聞いた気がしたからメッセを送った。

情報屋のこととかよろしくな。時間がある時に連絡してくれ。じゃあな。





悠里はバージルのメッセージを読み終えてメッセージが表示された画面を消した。


「ワールドクエストを確認しよう」


フレンドたちはマリーがワールドクエストを創造したことを聞きたがっていた。

彼らに説明するためにも、悠里自身が新たなワールドクエストの内容を確認しなければならない。

悠里はステータス画面を呼び出して『クエスト確認』をタップした。

新たな画面が表示される。





汎用クエスト  固有クエスト  ワールドクエスト【NEW】





『ワールドクエスト』のところに【NEW】の記載がある。

悠里は『ワールドクエスト』をタップして『クエスト名 鑑定師ギルドの副ギルドマスターの恋人選定パーティー』に指で触れた。

新たな画面が表示される。





クエスト名 鑑定師ギルドの副ギルドマスターの恋人選定パーティー【NEW】【未受注】


鑑定師ギルドの副ギルドマスターのフレデリック・レーンの恋人を選ぶパーティーが開催される。

クエストを受注できるのは主人公の性別が女性または『オトメの心』スキル所持者のみである。

このクエストを受注する場合は【未受注】の部分をタップして【受注する】を選択する必要がある。

クエストの受注期間は恋人選定パーティーの日付が決まるまで。

パーティー開催の日付が決まったら、クエストを受注したプレイヤーのアイテムボックスにパーティーの招待状が収納される。


鑑定師ギルドの副ギルドマスターのフレデリック・レーンのグラフィックとプロフィールの確認は【こちら】からどうぞ。





悠里が【こちら】という部分をタップすると、レーン卿のグラフィックと性別、年齢、身長と体重と鑑定師ギルドの副ギルドマスターであること等の簡単なプロフィールが表示された。

名目だけの婚約者がいて、彼女との婚約は恋人選定パーティーの結果次第で円満解消の可能性があるということも記載されている。


「クエスト発生条件も見てみよう」


悠里は表示されているワールドクエストの説明文を読み進める。





クエスト発生条件


プレイヤーであるマリー・エドワーズがフレデリック・レーンの母親にフレデリックの恋人選定パーティーを開くように提案したことでこのクエストが発生。


クエスト達成条件


パーティーの招待状に記載。





「うわー。私の……じゃなくてマリーの名前がクエスト内容に書いてある。……マリーは5歳だけど女性キャラだから、このクエストを受注できるのかな」


悠里は画面の【未受注】の部分をタップした。

新たな画面が現れる。





クエストの受注条件を満たしています。このクエストを受注しますか?



       受注する/受注しない





悠里は『受注する』をタップした。

そしてワールドクエスト『鑑定師ギルドの副ギルドマスターの恋人選定パーティー』の項目を確認する。


「【未受注】からちゃんと【受注】になってる。よかった」


レーン卿が主役のパーティーなのだから、きっと豪華絢爛なのだろう。

悠里は友達同士が集まる誕生日パーティーやクリスマスパーティーにしか出席したことがないので、本格的なパーティーに参加できると思うとわくわくした。


ワールドクエストの受注処理を終えた悠里は情報屋へのメッセージに依頼を達成できたことや、鑑定結果は後日『銀のうさぎ亭』に届くこと、そしてワールドクエスト創造の詳細は会って話がしたいと記載する。


「あっ。そうだ。バージルさんにも会ってくれるようにお願いしないと……」


悠里はマリーのフレンドのバージルというプレイヤーと会ってほしいと書き添えて、情報屋にメッセージを送信した。

そしてバージルには情報屋にバージルと会ってもらえるように頼んだことを記載したメッセージを送り、ウェインにはワールドクエスト創造の情報を情報屋に売るつもりだというメッセージを送った。


「あとは、確認することとかないかな。……大丈夫なはず。たぶん」


幼なじみの晴菜に『九星堂工房』の様子を見て来るようにと言われたけれど、とりあえず領主館にいる現状ではどうにもならない。


「サポートAIさん。私、そろそろ行きますね」


「それでは、素敵なゲームライフをお送りください」


サポートAIの声に送られ、悠里は鏡の中に入っていった。



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