第十七話 高橋悠里は行動履歴とゆるふわ機能を確認する



悠里の目の前に、自分の行動履歴が現れた。





高橋悠里の行動履歴


5月3日


初ログインボーナス スキルポイント5入手





「まだ一行だけしかないんだね」


「ゲームをプレイしたら、すぐに増えます。こまめな履歴の確認をおすすめします」


「はい」


悠里は続いて『ゆるふわ機能』を確認することにした。

『ゆるふわ機能』をタップする。





ゆるふわ機能【ON/OFF】


すべてのモンスターが可愛くデフォルメされたグラフィックになり可愛らしい声になる機能。

初期設定ではOFFになっている。


【ON/OFF】をタップすることでいつでも切り替えが可能。転送の間でサポートAIに依頼して切り替えることもできる。





「『ゆるふわ機能』でモンスターが可愛くなったら、倒せなくなりそうだから、私はデフォルトのOFFでいいかなあ」


「『ゆるふわ機能』は可愛いモンスターをテイムしたいプレイヤーからは大変なご支持をいただいています。いつでもON/OFFが可能ですのでお気軽にご活用ください」


「了解です。あとは……クエストはまだ受けていないし、フレンドもまだいないから確認は、今はいいかなあ」


気になるところはだいたい確認を終えた。

そろそろゲームを始めよう。


「サポートAIさん。丁寧に説明もらったからすごくわかりやすかったです。ありがとう」


「お役に立てたなら光栄です」


「私、そろそろゲームを始めようと思うんですけど、どうしたらいいですか?」


「ゲームを始める場合は、そちらにある姿見の鏡の中に入ってください」


「鏡の中に入れるの!?」


「ゲームですから」


「ゲームってすごい」


悠里は感心しながら、姿見の鏡の前に立つ。

緊張しながら鏡に触れると、悠里の手が鏡に呑み込まれた。


「すごい。本当に鏡に入れちゃうんだ……!!」


「それでは、素敵なゲームライフをお送りください」


サポートAIの声に送られ、悠里は鏡の中に入っていった……。



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