愛してごめん

百鬼

第1話

 殺人犯の父を持つ彩芽は幼いころからいじめられていた。父は母を殺した。それは彩芽がまだ母のおなかの中にいることの話だった。母は彩芽を生むと間もなく息を引き取った。そのため彩芽は叔母夫婦に育てられた。しかし叔母夫婦にとって彩芽の母は、可愛い妹だった。そのため妹の命を奪った男の血が流れる彩芽をとてもじゃないが可愛がることはできなかった。物心ついた頃には既に、最低限の食糧のみ与え会話などなく、空気と化する彩芽。

 学校ではいじめられ、家では空気となるそれが当たり前だった。すべて私が悪いのだ。私が生まれなっかたら母は生きられたのだ。暴力を振るような男でも私に父親という存在が欲しかったから母は逃げなかったのだと一度酔った叔母が言っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る