(二)-13
この一係と二係の捜査方針の違いは解消しなければならなかった。小内海を拘束できるのは七十二時間に限られ、残りは明日と明後日の二日のみだ。今回は道路交通法違反での逮捕であった。ここは各捜査係の追求をすべきか、それともまずは道交法違反での書類送検を固めるか。
会議室での議論は、二十三時まで続いた。結局、各員の疲労により、最も無難な残りの二日のうち一日づつを一係と二係の捜査にそれぞれあてるという案で合意するに至った。
道交法での違反については、署からの違反金支払い督促に応じなかったこともあり、書類送検は十分可能であった。ただし、裁判に持ち込んでも資産差し押さえ命令の判決が出て、小内海の個人資産の差し押さえが強制執行されて終わってしまうだろう。
しかし、裁判が行われる間に留置場に拘留申請をすることは可能だ。その間に取り調べを進めることができる。捜査はまさにこの残り二日間の取り調べにかかっていた。
(続く)
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