(二)-2

 初老ではあるが、まだまだ精悍とも言える小内海一人に対し、取調室には担当捜査官の木葉のほか、その部下の野口とさらには捜査一係の係長でもある松橋剛志、その部下である田代悠治の合計四人が同席した。

「あんたに聞きたいことがある」

 そう穏やかに口火を切ろうとした木葉であったが、五文字目まで発語したところで松橋係長が、昭和に納品されたグレーのスチールデスクの天板を、平手で音を立てて叩きつつ「お前が指示したんだろう」と大声を上げた。

「容疑はなんなんですか、刑事さん」


(続く)

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