(二)

 木葉きば鋭司えいじ万葉まんば県警・野口警察署に到着すると、覆面パトカーから小内海こうちうみ一騎かずきを降ろし、すぐに取調室へ連れて行き、窓側のパイプ椅子に座らせた。

「なんで俺が逮捕されなければならないんですか、刑事さん」

 小内海が自らの腰をパイプ椅子に下ろしながら低い声で言った。坊主頭で外側が尖ったデザインの眼鏡をかけていた。シャツのボタンは上から三つまで止められていなかったので、年齢の割には豊富な胸筋をシャツの襟の谷間から見えた。


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る