心の嵐は見せないで

あなたの

優しい声が好きでした


けして慌てない

柔らかな物腰が好きでした


いつもほんのりと笑んでいる

静けさが好きでした




たくさんのことを教えてくれて

いつも何も言わずに助けてくれて

大きく大きく包んでくれた


心のうちの嵐は

けして表には出さず

誰かを責めるところは

一度も見なかった




昔、一度だけ

あたし左足の傷に

触れてくれたことがありましたね


あの時も

あなたの指は温かかった




あんなにも

大きく

強く

温かく、包まれていたことを

今頃になって実感しています



あたしは

あなたにはなれないけれど


近づくことができたならと

思っています


近づくことができるならと

願っています






***


先日、あたしの亡くなった母の

誕生日でした。

母とのあれこれを思い出していて、

 本当に強い人だった

と、あらためて思いました。


見た目は、

子供であるあたしが言うのも何ですが、

儚げな少女のような人、

だったのですが。


強い、芯のある人でした。




母に寄せて。

母に贈る言葉を、

彼女が亡くなってから

初めて綴りました。


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