22.だって

 だって、全部君が悪いんだよ。わかってるでしょ? わかってないとおかしいんだ。僕のことちゃんと見てくれなかったから、だから君はそうなってる。そうだよね、ちゃんと反省してね?

 でも本当に君が理解したのか全く伝わってこないから、僕が詳しく説明してあげるね。君は罪の意識を持ちながらしっかり聞こうね。

 まず、君は僕のことをいつも無視するよね。少し前までは挨拶だって会話だって明るく交わしてたっていうのにさ、どうして最近は無視するようになったの? 冷たいよね。たまに睨んでくるでしょ、あれ結構傷つくんだよね。かわいいのにそんな顔しないの、もったいないなぁ。

 次。君さ、浮気、してるよね。僕にはお見通しだからね。僕の知らない背の高い男の子と一緒にいたの、見たよ。確かにあの子はかっこいいよ。運動もできるし勉強もできるし、紳士的だし。完璧と言っても過言じゃないのかもしれない。でもさ、君には僕がいる。そうでしょ? だったら彼と縁を切るのが正しいこと、違うかな。

 それだけじゃない。ツインテールのあの子とも手を繋いでたね。メガネの優等生ちゃんともハグしてたし、それに――。本当、君は立場を全くわかってない。どうして僕を最優先にしてくれないの? どうして僕以外と仲良くするの? 信じられない。

 ん、何? 今更謝ったって許すわけないじゃん。だって僕を裏切ったから。だって僕を傷つけたから。だって僕から離れようとしたから。ね、僕が君にこんなことする理由は充分にあるでしょ。

 だからこのまま僕のモノになってくれるよね?


お題「泣き笑い」

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