31、人工物
それは宇宙で最も醜い人工物だと言われていた
いろんな種族がいろんな星系から興味本位でそれを見にやってきた
それを見た彼らの反応は様々だった
怒り出す者
泣き出す者
わめき散らす者
気分が悪くなって運ばれる者
絶望感に襲われうずくまる者
ショックで気を失う者
無我夢中で逃げ出す者
我を忘れてそれを壊そうとし止められる者
いずれも共通していたのはその人工物に対する拒否反応だった
それはかつてその星系を支配していた種族の彫像だった
辺境の銀河の片隅に生息していた種族
他の星系へ侵攻を繰り返し殺戮と暴虐の限りを尽くし
数千年に及ぶ討伐戦の末
全銀河種族連合によって根絶やしにされた宇宙の汚点
その忌まわしい名前を口にする者は今や誰一人いない
とある種族の彫像だった
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