13、青春

 蹉跌とか、残酷物語とか、殺人者とか。

 昔はね、そういうのだったんだ。

 青春っていうとさ。

 まじめにやってたんだよ。

 青春。

 今ってどうなの。

 青春。

 あるの。

 ないの。

 あっても、なんか軽いんじゃないの。

 なんか駆ける、みたいな。

 青春を駆ける、みたいな。

 違う?

 青春、うっせーわ、って感じ?

 違う?

 あんたがうっせーわって?

 めんごめんご。

 と、いつの間にか話に割り込んできた隣の客は、しばらく無視しているとぶつぶつと独り言を言い始めた。

 青春は今でももちろんある。

 昔と比べて軽いのか、重いのかは知らない。

 昔のことを知らないんだから。

 そんなのは人それぞれだと思うし。

 人にとやかく言われるようなものじゃないのが青春だと思うし。

 確かなことは、私は死ぬまで自分の青春を終わらせるつもりはないということ。

 そんなこと誰にも言わないけどね。

 あ、おじさん、ビールお替り。

 

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