歩きスマホは本当に悪いことなのか?


私は歩きスマホはしない。

する必要もない。


そこまで夢中になるほどの相手がいないし、仕事に追われているわけでもない。


だから歩きスマホをする人の気持ちが分からない。


表向きの倫理感で言うのであれば、

歩きスマホは迷惑である。

歩きスマホは悪である。


しかし、歩きスマホが悪だとすれば、この社会は悪人がそこら中を平然と闊歩する荒んだ社会ということになってしまう。


混雑した都会の駅などに行けば、常に視界に歩きスマホがいるほどだ。歩行者の10人に1人くらいは歩きスマホではなかろうか。


これほどまでに多くの人に愛される歩きスマホを悪と断じてしまって良いのだろうか?


私には分からない。


列車内や駅構内では「歩きスマホは危険ですからおやめください」みたいなアナウンスが頻繁に流れている。

ポスターもあちこちに貼ってある。


歩きスマホが危険だと知らずにやっている人はほとんどいないだろう。みな分かっていてやっているのだ。


それ今じゃなきゃダメなの?

ちょいと立ち止まる時間の余裕もないの?

一分一秒を争う事態なの?


そういうケースもなくはないだろうけど、全員が緊急事態の真っ最中なんてあり得ないだろ。


揃いも揃って頭がイカれてるとしか思えない。


しかし、それは私の感覚だ。


ひょっとしたら、頭がおかしいのは私の方かもしれない。

私の知らない不文律みたいなものがあるのかもしれない。


こんなこと、いくら考えても答えが出ないことくらい分かってる。


曖昧なんだよ、社会ってのはさ。


「歩きスマホくらいでぐだぐだ言うな。お前が黙って道を譲ればいいんだよ。そうすりゃ争いなんか起きないんだよ」


こんなことをいちいち考えながら歩きスマホしてる奴がいるとは思えないが、実質そういうことなんだよな。


腹立たしいよな。

こんなに腹立たしいのに、黙認しなきゃダメなんだよな。


だったら私も歩きスマホしてみようかな。


でも、そうしたら怒るんだろ?


知ってるよ。


私だけは許されない。

私にだけは不文律は当てはまらない。


それが、世界。



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