世の理不尽に対する憤りと悟り
ンヲン・ルー
赤信号みんなで渡れば怖くない?
赤信号みんなで渡れば怖くない?
「赤信号みんなで渡れば怖くない」という言葉がある。
正しいか正しくないかで言えば、正しくない。違法だから当然だ。
しかし現実問題として、みんなで赤信号を渡ろうとしている時に一人だけ「いや、私は青に変わるまで待つ」と言う人間がいたらどうだろう?
「空気読めよ鬱陶しい」
「協調性のない奴だ」
「良い子ぶってんじゃねえ」
それが集団心理というものだ。
法など関係ない。
周りに合わせる人間が正しい。
周りに合わせない人間は悪い。
そういう意味合いにおいて、
私(筆者)は悪だった。
だから私には友人がいない。
配偶者もいない。
今までの人生で、私の側に付いてくれた人間は一人もいなかった。
勇気を出して正しい行いをしても、尊敬されることは一度もなかった。
ただただ嫌われるだけだった。
さすがに私も気付いたよ。
滅茶苦茶だな、この社会。
でも、その滅茶苦茶な中で上手く立ち回った奴が、好かれる、出世する、子孫を残す。
それはまだいい。
それが自然の摂理だというなら、潔く受け入れよう。
私が一番気に入らないのは…
それならそうと、なぜ子供の時に教えてくれなかった?
「赤信号は基本的には渡っちゃダメなんだけどね、みんなが渡ろうとしている時は一緒に渡らなきゃダメだよ」
なぜハッキリそう言ってくれなかった?
見栄か?
くだらない。
でも、そのおかげで、このくだらない世界に子孫を残さずに済んだ。
それだけが救いか。
いや違うな。
そう思うことで自分の心を救おうとしているだけだ。
それもまた人間。
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